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住宅ローン控除で住民税は安くなる?住宅購入時・購入後にかかる税金も解説
住宅を購入すると、住宅ローンの返済だけでなく、さまざまな税金が関係してきます。
なかでも気になるのが、「住宅ローン控除を受けると住民税も安くなるのか」という点ではないでしょうか。
住宅ローン控除は、一定の条件を満たして住宅ローンを利用した場合に、所得税などの負担を軽減できる制度です。
基本的には所得税から控除されますが、所得税から控除しきれない金額がある場合、翌年度の住民税から一部控除されることがあります。
また、住宅を購入する際には、印紙税・登録免許税・不動産取得税などがかかり、購入後も固定資産税や都市計画税といった税金が発生します。
この記事では、住宅ローン控除と住民税の関係を整理しながら、住宅購入時と購入後にかかる主な税金についてわかりやすく解説します。
※本記事は2026年5月時点の情報をもとに作成しています。
税制は変更される可能性があるため、実際に手続きする際は、国税庁・国土交通省・自治体などの最新情報も確認しましょう。
住宅ローン控除で住民税は安くなる?

住宅ローン控除は、住宅ローンを利用してマイホームを購入した人の税負担を軽くする制度です。
ただし、「住民税が直接戻ってくる制度」ではありません。
まずは所得税から控除され、所得税から控除しきれない分がある場合に、一定額まで翌年度の住民税から差し引かれる仕組みです。
⚫︎住宅ローン控除はまず所得税から控除される
住宅ローン控除は、年末時点の住宅ローン残高などをもとに計算した金額を、所得税から差し引ける制度です。
国土交通省によると、令和8年度税制改正により関連税制法が成立し、住宅ローン減税は令和8年1月1日から令和12年12月31日までに入居した場合も適用対象となりました。
控除率は0.7%で、住宅の種類や入居時期、住宅性能、世帯区分などによって借入限度額や控除期間が異なります。
借入限度額が3,000万円以上の区分に該当し、年末の住宅ローン残高が3,000万円ある場合、控除率0.7%で単純計算すると、年間21万円が控除額の目安になります。
ただし、実際に控除できる金額は、住宅の種類・借入限度額・所得税額・住民税額などによって変わります。
「住宅ローン残高×0.7%」の全額を必ず控除できるわけではない点に注意しましょう。
⚫︎所得税で控除しきれない分は住民税から控除される
住宅ローン控除は、まずその年の所得税から差し引かれます。 しかし、住宅ローン控除額が所得税額を上回る場合、所得税だけでは控除しきれません。
この場合、控除しきれなかった分については、翌年度の個人住民税から一定額まで控除されます。
つまり、住宅ローン控除によって住民税が安くなる可能性はあります。
ただし、住民税から控除されるのは、所得税から引ききれなかった分の全額とは限りません。
住民税から差し引ける金額には上限があるためです。
令和4年から令和7年までの入居分については、個人住民税から控除できる金額は、所得税から控除しきれなかった額のうち、所得税の課税総所得金額等の5%、最高97,500円の範囲内とされています。
令和8年以降の入居分についても、実際の適用時には自治体の最新案内を確認しましょう。
たとえば、住宅ローン控除額が21万円、所得税額が12万円だった場合、所得税から控除できるのは12万円です。
残りの9万円は、住民税の控除上限の範囲内であれば、翌年度の住民税から控除されます。
一方で、控除しきれなかった金額が15万円あったとしても、住民税から控除できる上限が97,500円であれば、それを超える部分は控除されません。
⚫︎住民税が現金で戻ってくるわけではない
所得税の場合、確定申告や年末調整によって還付金として戻ってくることがあります。
しかし、住民税は翌年度に支払う税額が軽くなる形で反映されます。
住宅ローン控除によって住民税が安くなる場合でも「お金が振り込まれる」のではなく、「翌年度の住民税額が減る」と理解しておきましょう。
住宅ローン控除を受けるために確認したい条件

住宅ローン控除は、住宅ローンを利用すれば誰でも受けられる制度ではありません。
入居時期、住宅の床面積、所得、住宅ローンの返済期間、住宅の性能など、複数の条件を満たす必要があります。
購入する住宅によって条件が変わるため、契約前に確認しておくことが大切です。
1.自分が住むための住宅であること
住宅ローン控除は、原則として自分が住むための住宅を取得した場合に利用できる制度です。
投資用物件や、親族など自分以外の人が住むための住宅は、基本的に対象外です。
購入後は、一定期間内に入居し、その後も継続して居住することが求められます。
住宅ローン控除を前提に資金計画を立てる場合は「自分が居住する住宅として対象になるか」を事前に確認しましょう。
2.合計所得金額の要件がある
住宅ローン控除には、所得要件もあります。
所得が一定額を超える場合、住宅ローン控除を受けられないことがあります。
判定は年収ではなく、合計所得金額で行われるため、給与以外の所得がある人や、個人事業主の人は特に注意が必要です。
また、住宅の区分や居住年によって、借入限度額や控除期間も異なります。
国税庁も、令和4年以降に居住の用に供した場合の住宅借入金等特別控除について、住宅等の区分や居住年に応じて控除限度額などが変わると案内しています。
3.住宅の床面積や性能にも注意する
住宅ローン控除では、床面積や住宅性能も重要なポイントです。
令和8年度税制改正では、床面積要件を40㎡以上に緩和する措置が既存住宅にも適用されました。
ただし、合計所得金額1,000万円超の人や、子育て世帯等への借入限度額の上乗せ措置を利用する人は、50㎡以上が必要です。
近年は、省エネ性能の高い住宅ほど優遇される傾向があります。
新築住宅・中古住宅のどちらを購入する場合でも、住宅ローン控除を受けられる住宅かどうか、性能証明書や登記事項証明書などの書類を確認しておきましょう。
参考:No.1211-1 住宅の新築等をし、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)
住宅ローン控除を受けるための手続き
住宅ローン控除を受けるには、住宅を購入したあとに必要な手続きを行う必要があります。
会社員の場合でも、初年度は原則として確定申告が必要です。
2年目以降は年末調整で手続きできるケースが多いため、初年度と2年目以降の違いを押さえておきましょう。
⚫︎初年度は確定申告が必要
住宅ローン控除を初めて受ける場合は、会社員であっても確定申告が必要です。
確定申告では、住宅ローン控除額を計算し、所得税から控除を受けるための手続きを行います。
申告が必要な時期になってから慌てないように、入居後は早めに必要書類を整理しておきましょう。
⚫︎2年目以降は年末調整で手続きできる
会社員の場合、住宅ローン控除の2年目以降は、勤務先の年末調整で手続きできるのが一般的です。
年末調整では、税務署から送付される住宅ローン控除関連の書類や、金融機関から届く住宅ローンの年末残高証明書などを勤務先に提出します。
国税庁も、住宅ローン控除を年末調整で受ける場合は、住宅借入金等特別控除証明書と年末残高証明書を給与の支払者へ提出するよう案内しています。
ただし、個人事業主や年末調整を受けない人は、2年目以降も確定申告が必要です。
⚫︎必要書類は早めに準備しておく
住宅ローン控除の手続きでは、主に次のような書類が必要になります。
| 書類の例 | 主な入手先 |
|---|---|
| 確定申告書 | 国税庁サイト・税務署 |
| 住宅借入金等特別控除額の計算明細書 | 国税庁サイト・税務署 |
| 住宅ローンの年末残高証明書 | 金融機関 |
| 登記事項証明書 | 法務局 |
| 売買契約書・工事請負契約書の写し | 不動産会社・建築会社 |
| 住宅性能に関する証明書類 | 建築会社・指定機関など |
必要書類は、購入した住宅の種類や控除の区分によって異なります。
省エネ住宅や長期優良住宅などの区分で控除を受ける場合は、証明書類が必要になることがあります。
住宅購入時にかかる主な税金

住宅を購入するときには、物件価格以外にもさまざまな費用がかかります。
その中でも、税金は見落としやすい項目です。
購入時にかかる税金を把握しておくことで、契約時や引き渡し時の資金不足を防ぎやすくなります。
⚫︎印紙税
印紙税は、不動産売買契約書や建築工事請負契約書など、一定の契約書を作成するときにかかる税金です。
税額は契約書に記載された金額によって変わります。
不動産の譲渡に関する契約書については、記載金額が10万円を超えるもののうち、令和9年3月31日までに作成されるものは軽減措置の対象とされています。
たとえば、住宅購入時には売買契約書に収入印紙を貼り、消印をすることで納付します。
契約書の金額が大きくなるほど印紙税も高くなるため、諸費用として事前に確認しておきましょう。
⚫︎登録免許税
登録免許税は、不動産の登記をするときにかかる税金です。
住宅購入時には、土地や建物の所有権移転登記、新築建物の所有権保存登記、住宅ローンを借りる際の抵当権設定登記などが発生します。
国税庁によると、一定の住宅用家屋については、令和9年3月31日までの間に取得し、自己の居住の用に供する場合などに、所有権保存登記や所有権移転登記で軽減税率が適用される場合があります。
登録免許税は、司法書士への報酬とあわせて請求されることが多いため、見積書では「登記費用」としてまとめて記載されているケースもあります。
内訳を確認し、税金部分と報酬部分を分けて把握しておくとよいでしょう。
⚫︎不動産取得税
不動産取得税は、土地や建物を取得したときに一度だけかかる地方税です。
住宅購入後すぐに支払うとは限らず、引き渡しからしばらく経ってから納税通知書が届くことがあります。
そのため、購入時の諸費用として見落とされやすい税金です。
国土交通省によると、住宅を取得した場合の不動産取得税は、本則4%のところ、税率を3%に軽減する特例措置があり、適用期限は令和9年3月31日までとされています。
また、新築住宅や中古住宅では、課税標準から一定額を控除できる特例もあります。
不動産取得税は、住宅の種類や床面積、取得した土地・建物の評価額によって大きく変わります。
軽減措置を受けるために申請が必要な自治体もあるため、納税通知書が届いたら内容を確認しましょう。
⚫︎消費税
住宅購入では、消費税がかかるものとかからないものがあります。
消費税の課税対象は、国内において事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡等に限られます。
土地と建物を一括して譲渡した場合、土地の譲渡は非課税で、建物部分についてのみ課税されるとされています。
たとえば、新築住宅を不動産会社や建築会社から購入する場合、建物部分には消費税がかかりますが、土地部分には消費税がかかりません。
中古住宅の場合、売主が事業者でない個人であれば、原則として建物部分にも消費税はかかりません。
しかし、不動産会社などの事業者が売主の場合は、建物部分が課税対象となることがあります。
また、仲介手数料や司法書士報酬などのサービスには消費税がかかります。
物件価格だけでなく、諸費用に含まれる消費税も確認しておきましょう。
参考:印紙税の軽減措置
住宅購入後にかかる主な税金

住宅は、購入して終わりではありません。
購入後も、所有している限り毎年かかる税金があります。
住宅ローン返済だけで資金計画を立てると、固定資産税などの支払い時期に家計への負担を感じることがあるため、購入後のランニングコストとして考えておきましょう。
⚫︎固定資産税
固定資産税は、毎年1月1日時点で土地や建物などの固定資産を所有している人に課税される税金です。
固定資産税は、課税標準額に市区町村が定める税率を乗じて計算されます。
標準税率は1.4%です。 固定資産税は、市区町村から送られてくる納税通知書に基づいて支払います。
一括で納付することも、年数回に分けて納付することもできます。
新築住宅や住宅用地には、一定の軽減措置が適用される場合があります。
ただし、軽減期間が終わると税額が上がることがあるため、購入後数年先の負担も見込んでおくことが大切です。
⚫︎都市計画税
都市計画税は、都市計画事業や土地区画整理事業などに充てるための税金です。
主に市街化区域内の土地・家屋に対し、課税標準額(評価額)に上限0.3%の税率を乗じて算出される地方税です。
都市計画税は、固定資産税とあわせて納税通知書が届くケースが一般的です。
購入する物件が都市計画税の対象エリアにあるかどうかは、不動産会社や自治体に確認しておくと安心です。
⚫︎住民税
住民税は、前年の所得に応じて課税される地方税です。
住宅を購入したこと自体によって新たに発生する税金ではありませんが、住宅ローン控除を受ける場合には関係してきます。
住宅ローン控除で所得税から控除しきれなかった金額がある場合、一定額まで翌年度の住民税から控除されます。
ただし、住民税から控除できる金額には上限があり、住民税が必ず大幅に安くなるとは限りません。
住宅ローン控除による住民税の軽減は、翌年度の住民税に反映される点にも注意が必要です。
購入した年の住民税がすぐに下がるわけではないため、支払いスケジュールを勘違いしないようにしましょう。
⚫︎住宅購入時と購入後にかかる税金一覧
ここまで紹介した税金を、かかるタイミング別に整理しておきましょう。
住宅購入では、契約時・登記時・取得後・所有中と、それぞれ異なるタイミングで税金が発生します。
資金計画を立てる際は、「いつ」「何の税金が」「どのくらいかかるのか」を把握しておくことが大切です。
しょう。
| 税金の種類 | かかるタイミング | 主な内容 |
|---|---|---|
| 印紙税 | 売買契約時・請負契約時 | 契約書にかかる税金 |
| 登録免許税 | 登記時 | 所有権移転登記・保存登記・抵当権設定登記などにかかる税金 |
| 不動産取得税 | 購入後しばらくして | 不動産を取得したときに一度だけかかる地方税 |
| 消費税 | 購入時・諸費用支払い時 | 建物部分や仲介手数料などにかかる場合がある |
| 固定資産税 | 購入後、毎年 | 土地や建物の所有者にかかる税金 |
| 都市計画税 | 購入後、毎年 | 市街化区域内の土地・建物にかかる税金 |
| 住民税 | 毎年 | 所得に応じてかかる税金。住宅ローン控除により軽減される場合がある |
住宅購入では、物件価格や住宅ローンの返済額に意識が向きがちです。
しかし、実際にはこれらの税金も含めて総額を考える必要があります。
税金で失敗しないためのポイント
住宅購入後に「思ったよりお金がかかった」と感じる原因のひとつが、税金や諸費用の見落としです。
住宅ローン控除による減税効果だけでなく、購入時・購入後に支払う税金もセットで考えることが、無理のない資金計画につながります。
⚫︎住宅ローン控除額を過大に見積もらない
住宅ローン控除は、家計にとって大きなメリットのある制度です。
しかし、控除額の上限いっぱいまで必ず使えるとは限りません。
実際に控除される金額は、住宅ローン残高、住宅の種類、所得税額、住民税額などによって変わります。
所得税額が少ない場合は、住宅ローン控除額を全額使いきれないことがあります。
住宅ローン控除を資金計画に入れる場合は、「最大控除額」ではなく、「自分の場合に実際どのくらい控除されそうか」を確認することが大切です。
⚫︎不動産取得税は忘れたころに届く
不動産取得税は、購入時にその場で支払う税金ではありません。
購入後しばらくしてから、都道府県から納税通知書が届きます。
そのため、引っ越し費用や家具・家電の購入費などで出費が重なったあとに、不動産取得税の支払いが発生することがあります。
軽減措置を受けられる場合でも、手続きが必要なケースがあります。
納税通知書が届いたら、軽減措置が反映されているか確認しましょう。
⚫︎固定資産税は毎年かかるランニングコスト
固定資産税や都市計画税は、住宅を所有している限り毎年かかります。
住宅用地には、税負担を軽減するための特例があります。
小規模住宅用地について、固定資産税の課税標準額は価格の6分の1、都市計画税は3分の1になると案内しています。
また、一般住宅用地についても、固定資産税は3分の1、都市計画税は3分の2になる特例があります。
ただし、建物の固定資産税については、新築住宅の軽減措置が終了すると税額が上がる場合があります。
住宅ローン返済に加えて、毎年の固定資産税・都市計画税も支払えるかを確認しておきましょう。
⚫︎制度の適用条件は最新情報を確認
住宅ローン控除や各種税金の軽減措置は、入居時期や住宅性能、床面積、所得、自治体のルールなどによって変わります。
近年は、省エネ性能の高い住宅を優遇する方向で制度が見直されています。
購入する住宅が控除や軽減措置の対象になるかどうかは、不動産会社・金融機関・税務署・自治体などに確認しておきましょう。
制度を正しく使うことで、住宅購入時や購入後の税負担を抑えられる可能性があります。
まとめ
住宅ローン控除は、まず所得税から控除され、所得税から控除しきれない金額がある場合に、一定額まで翌年度の住民税から控除される制度です。
そのため、住宅ローン控除によって住民税が安くなる可能性はあります。
ただし、住民税から控除できる金額には上限があり、住民税が現金で戻ってくるわけではありません。
翌年度に支払う住民税が軽くなる仕組みだと理解しておきましょう。
住宅を購入すると、購入時には印紙税・登録免許税・不動産取得税・消費税、購入後には固定資産税・都市計画税などがかかります。
住宅ローン控除による減税効果だけでなく、購入時と購入後に発生する税金も含めて資金計画を立てることが大切です。
住宅購入を検討する際は、物件価格や毎月の返済額だけで判断せず、税金や諸費用を含めた総額で考えましょう。
あらかじめ必要な税金を把握しておくことで、購入後の家計にゆとりを持たせやすくなります。
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