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【プロが教える】リノベ物件の賢い選び方|購入前に知っておく7つのこと

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物件選び

2025.09.16

【プロが教える】リノベ物件の賢い選び方|購入前に知っておく7つのこと

2025.09.16

【プロが教える】リノベ物件の賢い選び方|購入前に知っておく7つのこと売買の窓口】

「リノベーション済みの物件っておしゃれだけど、実際どう選べばいいの?」

「古い物件だと不具合や費用面が不安…」

そんな声をよく耳にします。

確かに、リノベ物件は魅力的な反面、購入前にしっかりと見極めるポイントが多数あります。

この記事では、初めてリノベーション物件の購入を検討している方に向けて、「これだけは押さえておきたい7つのポイント」をわかりやすく解説します。


【リノベ物件】購入前に知っておくべき7つのこと

1. リノベ向き中古物件の選び方(立地・築年数・構造) 

リノベーション成功の第一歩は「物件選び」です。

どれだけ理想の空間を描いても、土台となる物件が適していなければ、予算超過や工事制限の原因になりかねません。

ここでは、立地・築年数・構造という3つの視点から、リノベ向き物件の見極め方を解説します。


🔸立地重視のポイント

リノベ前にまず考えるべきは、「どこで、どんな暮らしをしたいか」

駅からの距離やバス便の利便性、スーパー・病院・学校などの生活インフラが整っているかは、住み心地はもちろん、将来の資産価値にも直結します。

注目したいのが、再開発エリアや人口増加傾向にある地域です。多少築年数が古くても、エリアの将来性が高ければ、リノベ後の物件価値も維持されやすくなります。

購入後に転勤・結婚・出産などライフステージが変化する可能性がある方は、賃貸や売却といった“出口戦略”も意識した立地選びをおすすめします。


🔸築年数と構造の見極め

築古物件の中には、1981年以前の「旧耐震基準」で建てられたものも多くあります。

旧耐震だからといって即NGではありませんが、耐震補強の有無や構造的な安全性を事前に確認しておくことが大切です。

構造については以下のような特徴があります。

構造種別特徴リノベ適性
木造(W造)柔軟だが老朽化リスクあり△(劣化次第)
鉄骨造(S造)耐震性あり、遮音は弱め
RC造(鉄筋コンクリート)耐久性・遮音性が高い
SRC造RCよりも強固で高層向き◎(マンション向き)

RC造は遮音性や断熱性に優れており、間取り変更の自由度も高いため、リノベ向き構造として人気です。

ただし、耐力壁(壊せない壁)の位置によって間取り変更に制限が出る場合もあるため、構造図や施工会社の見解を事前に確認しておくと安心です。


2. 資金計画と費用の内訳(物件費・諸費用・工事費) 

リノベーション物件の購入では、「物件価格」だけを見て予算を組むのはとても危険です。

本当に必要なのは、「住める状態にするまでの総額」を把握したうえで、余裕ある資金計画を立てることです。


🔸物件価格以外にかかる費用

「2,500万円の物件なら、2,500万円あれば買える」

そんな考え方はNG。

実際には、物件価格以外に以下のような費用が発生します。

・仲介手数料(物件価格の約3%+6万円+税)

・登記費用(司法書士報酬・登録免許税)

・住宅ローン関連費(保証料、手数料、印紙税)

・火災・地震保険料

・引っ越しや家具・家電費用

これらを合計すると、物件価格の6〜10%程度(例:300万円前後)かかるケースも珍しくありません。

 購入前に“フルコスト”を試算することが、失敗しない第一歩です。


🔸工事費の相場!相見積もりは必須

リノベーション費用は、「どこまで手を入れるか」と「誰に頼むか」で大きく変わります。

目安としては、スケルトンリノベ(全改修)で1㎡あたり10万〜20万円が一般的な相場です。

例)60㎡のマンションの場合

→600万〜1,200万円程度が想定されます。

同じ広さでも、デザイン性・素材のグレード・設備機器の選定によって価格差は大きくなるため、1社だけでなく複数社から相見積もりを取り、内容を比較検討することが重要です。

また、提示された金額が「設計料込みか」「解体や処分費が含まれているか」なども確認しましょう。


🔸「予備費」を確保

リノベーションでは、解体して初めて判明する問題(配管の劣化、構造補強の必要など)も少なくありません。

このような“想定外”に備えて、総予算の10%前後を予備費として確保しておくのが賢い進め方です。

例)トータル予算1,000万円の場合

→最低でも100万円は予備費としてキープ

予算がギリギリだと、途中で工事内容を妥協せざるを得なくなったり、仕上がりに不満が残ったりすることも…。

「余裕ある資金計画」が、満足度の高いリノベのカギです。


3. 信頼できる業者選びのコツ(施工会社・設計士・管理体制) 

リノベーションは、「どんな業者と組むか」でほぼ決まる、そう言っても過言ではありません。

価格やデザインだけで判断せず、「信頼できるパートナーかどうかという視点で見極めることが大切です。


🔸施工実績と事例をチェック

まず確認したいのは、その業者がどれだけリノベーションの実績を持っているかです

公式サイトやパンフレットに掲載されている事例だけでなく、「自分の希望に近いテイストや間取りを手掛けているか」を見るのがポイントです。

できれば実際に手掛けた物件の現地見学会やOB宅訪問、写真付きのビフォーアフターなどを見せてもらうと、施工レベルやセンスが具体的にイメージできます。


🔸設計士・担当者との相性

リノベーションは、“モノを買う”というより、“一緒に空間をつくる”プロジェクトです。

そのため、ヒアリング力や提案力はもちろん、「こちらの要望をきちんと汲み取ってくれるか」「レスポンスが早いか」「話しやすいか」など、人としての相性もとても大切です。

最初の相談時点で「この人なら信頼できそう」と感じられるかどうかが、後悔しない第一歩です。


🔸管理体制も要チェック

業者によっては、設計・施工・管理がすべて別会社というケースもあります。

その場合、中間マージン(外注費)によって総額が割高になったり、トラブル時の責任の所在が曖昧になることもあります。

理想は、設計・施工・管理を一体で担える体制。または、それぞれの役割や連携方法が明確で、情報共有がスムーズな業者です。

契約前には、見積書の内訳に「設計料」「管理費」「諸経費」がどう含まれているか、料金の透明性も必ずチェックしましょう。


4. 内見で見るべきチェックポイント(設備・配管・日当たり) 

中古物件を購入してリノベーションする場合、内見時にどこを見ておくかで、その後の「追加コスト」や「満足度」が大きく変わります。

見た目の印象だけで判断せず、“見えにくい部分”と“暮らしやすさの本質”をチェックしましょう。


🔸設備・配管・電気配線の状態

キッチン・浴室・トイレといった水まわりは、築年数が古いほど設備の劣化や配管の腐食が進んでいる可能性があります。

特に確認したいのは、

・排水口からの異臭・水漏れ跡の有無

・水圧(水道の出・シャワーの勢い)

・電気ブレーカーの容量(リノベ後にIHや食洗機を入れる場合は特に)

表面のきれいさではなく、“機能としてどれくらい使える状態か”を意識してチェックしましょう。


🔸構造・断熱・防水の確認ポイント

リノベ工事で手を入れにくいのが、「構造・断熱・防水」まわりです。

内見時にしっかり確認しましょう。

天井や壁のシミ・膨れ → 雨漏りや結露のサイン

窓まわりの結露跡 → 断熱性が低い可能性

床の傾きやきしみ → 土台や構造材に不具合がある場合も

可能であれば、インスペクション(建物状況調査)を専門家に依頼するのも安心材料になります。


🔸 採光・風通し・生活動線

リノベで間取りや内装は変えられても、日当たり・通風・外の音環境は変えられません。

明るさや風通しは、朝・昼・夕それぞれで感じ方が変わるため、できれば日中の時間帯に内見をするのが理想です。

あわせてチェックしたいのが「生活動線」。

玄関からキッチン・洗面所までの流れ、洗濯機置場から物干し場の距離、収納へのアクセスなど、暮らしの動き”をシミュレーションしながら確認してみてください。


5. トラブルを防ぐ契約と保証事項(瑕疵担保・アフター支援) 

リノベーションを伴う中古物件の購入では、「契約書を交わしたあとに想定外のトラブルが発生する」というケースも少なくありません。

あとから後悔しないためには、契約前の確認と、保証内容の理解がとても重要です。


🔸「重要事項説明書」は必ず細部まで確認

物件購入時には、不動産会社から「重要事項説明書(重説)」が交付されます。

これは、物件に関するリスクや権利関係を買主に説明する法定書類です。

【チェックポイント】

・物件の登記情報(所有者・面積・種類など)

・耐震診断や建築年の記載(旧耐震かどうか)

・管理規約や修繕積立金の現状(マンションの場合)

・再建築の可否や用途地域の制限(戸建ての場合)

特に、告知事項(雨漏り・過去の火災・近隣トラブルなど)の記載がないかは要チェック。

不明点があればその場で遠慮せず質問し、理解したうえで署名しましょう。


🔸瑕疵担保責任と保証の有無

中古物件には、目に見えない不具合(雨漏り・構造の腐食・配管トラブルなど)が潜んでいることもあります。

「瑕疵担保責任」や「保証」がどの範囲に及ぶかを事前に確認しておくことが不可欠です。

【チェックポイント】

・売主が個人か業者か(業者の場合は2年間の保証が義務付け)

・既存住宅売買瑕疵保険の加入の有無

・リノベ工事に対する保証(構造・防水・設備など)

・工事後のアフター対応(定期点検・無償補修など)

特に「リノベ済み物件」の場合、“売主が施工者を兼ねている”ケースでは、保証と責任範囲が曖昧になりがちなので、保証内容を書面でもらっておくと安心です。


6. 購入前の資金調達手段とローン活用法(住宅ローン・リフォームローン) 

中古物件+リノベーションの購入では、「資金をどう調達するか」がとても重要です。

自己資金・ローン・補助金をどう組み合わせるかによって、返済の負担感や工事の自由度が大きく変わります。


🔸住宅ローンとリフォームローンの違い

リノベ物件の資金調達で多くの人が迷うのが、「住宅ローンだけで足りるの?」「リフォームローンって何?」という点。

基本的には、以下のような違いがあります。

項目住宅ローンリフォームローン
主な用途物件購入工事費用など
金利低め(年0.3〜1.5%)やや高め(年2〜4%)
借入可能額高い(数千万円)限度あり(数百万円)
返済期間最長35年短め(5〜15年)

最近は「住宅ローン+リノベ費用」を一本化できる“リノベ一体型ローン”も登場しており、こちらを活用すれば金利を抑えつつ、資金をまとめて借りることが可能です。


🔸金利タイプ・返済期間の選び方

ローンを組む際には、「固定金利」か「変動金利」かを選びます。

固定金利:金利が変わらない安心感。将来設計を立てやすい。

変動金利:金利が低めにスタート。ただし将来上がるリスクも。

どちらを選ぶかは、ライフプランや収入の安定性によって異なります。

返済期間が短いほど総利息は抑えられますが、毎月の負担は増えるため、無理のない返済計画が重要です。


🔸補助金や優遇制度も活用

リノベーションには、国や自治体による補助金・優遇制度が使える場合があります。

代表的なものは、

・住宅ローン控除(中古+リノベでも対象条件あり)

・こどもエコすまい支援事業(省エネ改修対象)

・自治体独自のリフォーム補助金

・長期優良住宅化リフォーム推進事業

どの制度が使えるかは、物件の条件や施工内容によって異なるため、購入前の段階から情報収集し、申請タイミングを逃さないように注意してください。


7. プロ視点の失敗しがちなポイント(相場の見誤り・自己満足デザイン) 

理想の住まいを目指してワクワクする一方で、リノベーションには“ありがちな落とし穴”も存在します。


🔸相場比較が甘いと「高値掴み」に…

意外と多いのが、「この物件、おしゃれだから買おう」と即決してしまい、あとで相場より高かったと気づくケースです。

特にリノベ済み物件は、仕上がりが綺麗な分、内装コストが価格に上乗せされているため、周辺の“未リノベ物件+工事費”と比較して割高かどうかを冷静に見極める必要があります。


🔸自己満足なデザインに偏ると後悔のもとに

「ホテルのようなLDKにしたい」「大胆な間取りにしたい」など、デザインに夢が膨らむのは当然ですが、使い勝手や将来の売却・賃貸展開を見落とすと“誰のための家なのか”がブレることになります。

例えば…

・収納を極端に減らした結果、生活感が隠しきれなくなる

・ガラス張りのバスルームが、家族と住むときに不便

・あまりに個性的な内装で、転売しにくくなる などがあります。


対策としては、「今の自分」だけでなく「数年後の暮らし方」「第三者が住むとき」も想定して設計することです。一時的な流行より、「住まいとしての基本機能」を大切にしてください。


🔸相談せず“独学”で進めてしまう

SNSや動画で情報が得られる時代とはいえ、不動産やローン、税制、工事契約に関する知識を完全に網羅するのは至難の業です。

なかには、「自分で何とかなる」と判断して、後で税金の優遇が受けられなかった、工事トラブルに対応できなかったというケースもあります。

資金計画 → ファイナンシャルプランナー(FP)

税金・名義 → 税理士・司法書士

建物状況 → インスペクターや設計士

それぞれの専門家に相談することで回避できるリスクは大きくなります。


【番外編】リノベ済み物件 vs 自分でリノベする物件、どっちが正解? 

リノベーション物件を探していると、

「すでにリノベ済みの物件を購入するか」

「中古物件を買って、自分好みにリノベするか」

どちらを選ぶべきか悩む方は少なくありません。

それぞれにメリット・デメリットがあるため、ライフスタイルや予算、こだわり度合いに応じて自分に合った選択を見つけましょう。

✅ リノベ済み物件の特徴

〈メリット〉

すぐ住める:工事が完了しているので引き渡し後すぐに入居可能

完成イメージが明確:実際の内装・設備を見て購入を判断できる

ローンが組みやすい:物件価格にリノベ費用が含まれており、住宅ローン一本で資金計画を立てやすい

〈デメリット〉

自由度が低い:間取りや内装はすでに完成しており、細かい調整が難しい

見えない部分の不安:下地や配管などの状態は確認しにくく、劣化が残っている可能性も

割高になることも:中間マージンやデザイン料が上乗せされている場合がある


✅ 自分でリノベする物件の特徴

〈メリット〉

間取りも内装もフルカスタマイズ:自分の暮らしに合わせて自由にプランニングできる

ライフスタイルにぴったり合わせられる:将来の暮らし方を見据えて設計できる

予算調整がしやすい:設備や素材の選び方でコストのコントロールが可能

〈デメリット〉

時間がかかる:物件選び〜設計〜施工までに数ヶ月かかるのが一般的

やることが多い:打ち合わせや管理など、自分で動く工程が多くなる

知識が必要:業者選びや資金計画など、ある程度の専門知識が求められる


まとめ 

リノベーション物件の購入は、理想の住まいを手に入れるチャンスである一方、物件選び・資金計画・業者選定など多くの判断が求められます。

失敗を防ぐためには、立地や構造といった基本、総費用を見通した資金計画、信頼できる会社との連携が不可欠です。

各ポイントを押さえて、後悔のないリノベ購入を行いましょう!