
売却
売却の流れ
2025年最新版|不動産売却の流れと必要な手続き・税金・注意点をわかりやすく解説
不動産を売却する際、どこから手をつければいいのか悩むことはありませんか?
実は、何も知らずに売却を進めると、不利な状況になってしまうこともあるのです。
有利に、かつスムーズに売却を進めるためには、まずその流れや必要な手続きをしっかり理解しておくことが大切です。
2025年は税制や手続きの一部に変更点もあり、最新の情報に基づいた準備が欠かせません。
この記事では、不動産売却のステップから必要書類、税金対策、売却時の注意点までをわかりやすく解説します。
初めて売却を検討している方も、ぜひ参考にしてください。
不動産売却の流れ
不動産の売却は、以下のような流れで進みます。
①売却の準備
スケジュール・目的・ローン残債の確認
まずは、「なぜ売却するのか」を明確にしましょう。
住み替えのためか、資産整理のためかによって、売却のスケジュールや方法も変わってきます。
また、住宅ローンが残っている場合は残債の確認が必要です。
売却価格でローンを完済できるかを事前にシミュレーションし、不足がある場合は金融機関との相談も早めに行いましょう。
②不動産の査定と価格設定
一括査定サイトの活用も
次に行うのが「査定」です。
不動産会社に依頼して、現在の市場価格を把握します。
複数の会社に査定を依頼できる「一括査定サイト」を利用すると、相場感がつかみやすくなります。
価格設定では、相場よりも高く設定しすぎると買い手がつかず、安すぎると損をしてしまうため、専門家の意見を踏まえてバランスの取れた価格を決めましょう。
③売却活動と買主の選定
内見対応・交渉のコツ
査定後は、不動産会社と媒介契約を結び、いよいよ売却活動へ進みます。
広告掲載、ポータルサイトへの登録、チラシ配布などで広く買主を募ります。
内見希望があった際は、部屋をできるだけきれいに整え、第一印象を良くすることが大切です。
価格や条件の交渉は不動産会社が仲介してくれることが多いですが、譲れないポイントなどを事前に確認しておくとスムーズに進めることができます。
④売買契約から引き渡し
契約内容と注意点
買主が決まったら、重要事項説明を経て売買契約を締結します。
このときの契約書には、引き渡し時期や手付金の額、契約解除に関する条項などが明記されます。
その後、ローン残債の精算や抵当権の抹消などを経て、引き渡しへと進みます。
引き渡し日には登記の変更や残金の受け取りが行われ、正式に所有権が移転されます。
不動産売却に必要な手続きと書類一覧
不動産売却を円滑に進めるためには、必要となる書類を事前に把握し、各段階で準備を行いましょう。
以下では、売却の各段階で必要となる主な書類とその取得方法について解説します。
1. 売却準備段階で必要な書類
登記済権利証または登記識別情報通知
不動産の所有者であることを証明する書類です。
物件購入時に交付されており、所有権移転登記の際に必要となります。
紛失した場合は再発行ができないため、司法書士に相談し、別途手続きを行う必要があります。
固定資産税納税通知書・固定資産評価証明書
物件の評価額や税金の納付状況を確認するための書類です。
市区町村の役所で取得できます。
地積測量図・境界確認書
土地の面積や境界を確認するための書類です。
法務局で取得可能ですが、最新の情報が必要な場合は、専門の測量士に依頼することも検討してください。
建築確認済証・検査済証
建物が建築基準法に適合していることを証明する書類です。
物件購入時に交付されており、紛失した場合は再発行ができないため、管轄の役所で代替書類を取得する必要があります。
管理規約・使用細則(マンションの場合)
マンションの管理組合が定める規約や使用細則です。
管理組合や管理会社から入手できます。
2. 売買契約時に必要な書類
本人確認書類
運転免許証、パスポート、マイナンバーカードなどの顔写真付きの公的書類が必要です。
共有名義の場合は、全員分の書類を用意してください。
実印・印鑑証明書
契約書類に押印する実印と、その印鑑が登録されたものであることを証明する印鑑証明書が必要です。
印鑑証明書は、市区町村の役所やコンビニエンスストアで取得可能で、有効期限は発行から3か月以内です。
住民票
登記上の住所と現住所が異なる場合に必要です。
市区町村の役所やコンビニエンスストアで取得可能で、有効期限は発行から3か月以内です。
設備表・物件状況等報告書
物件の設備や状態を詳細に記載した書類です。
不動産会社がひな形を用意している場合が多く、売主が記入します。
3. 引き渡し時に必要な書類
銀行口座情報
売却代金の振込先となる銀行口座の情報が必要です。
通帳やキャッシュカードのコピーを用意しましょう。
ローン残高証明書・抵当権抹消書類
住宅ローンが残っている場合、残高証明書や抵当権抹消に必要な書類が必要です。
金融機関から取得できます。
鍵・取扱説明書・保証書
物件の鍵や、設備の取扱説明書、保証書などを買主に引き渡します。
事前に整理しておきましょう。
4. 売却後の確定申告に必要な書類
不動産を売却して譲渡所得が発生した場合、確定申告が必要です。
以下の書類を準備しましょう。
・売買契約書(売却時と購入時)
・登記事項証明書
・譲渡所得の内訳書(国税庁のウェブサイトからダウンロード可能)
・取得費や譲渡費用を証明する書類(仲介手数料の領収書、リフォーム費用の領収書など)
・住民票(居住用財産の特例を適用する場合)
不動産売却時にかかる税金と節税対策
1. 譲渡所得税の計算方法
不動産売却によって得られる利益(譲渡所得)は、以下の式で計算されます。
譲渡所得 = 売却価格 −(取得費 + 譲渡費用)
・取得費
購入時の代金、仲介手数料、登記費用など。建物の場合、減価償却費を差し引いた金額となります。
・譲渡費用
売却時にかかった費用(仲介手数料、測量費、解体費用など)
計算された譲渡所得に対して、所有期間に応じた税率が適用されます。
所有期間 | 税区分 | 税率(所得税 + 住民税 + 復興特別所得税) |
---|---|---|
5年以下 | 短期譲渡所得 | 約39.63% |
5年超 | 長期譲渡所得 | 約20.315% |
※ 所有期間は、売却した年の1月1日時点での期間で判断されます。
2. 主な節税対策
① 居住用財産の3,000万円特別控除
マイホーム(居住用財産)を売却した場合、譲渡所得から最大3,000万円を控除できる特例です。
この控除を利用すれば、譲渡所得税を大幅に軽減、もしくは0円にすることも可能です。
【適用要件】
・自らが住んでいた不動産を売却すること。
・過去2年間で同様の特例を適用していないこと。
・売却先が親子や夫婦などの特別な関係者でないこと。
詳細は国税庁の「マイホームを売ったときの特例」をご参照ください。
② 10年以上所有の軽減税率の特例
マイホームを10年以上所有していた場合、譲渡所得に対する税率が軽減される特例です。
【適用税率】
課税譲渡所得6,000万円以下の部分:14.21%
6,000万円を超える部分:20.315%
【適用要件】
・国内にある自ら居住していた不動産を売却すること。
・売却した年の1月1日時点で、当該不動産を10年以上所有していること。
・過去2年間で同様の特例を適用していないこと。
詳細は国税庁の「マイホームを売ったときの軽減税率の特例」をご参照ください。
③ 相続した空き家の3,000万円特別控除
相続した空き家を売却する場合、一定の要件を満たせば、譲渡所得から最大3,000万円を控除できる特例があります。
【適用要件】
・被相続人が一人で居住していた家屋であること。
・昭和56年5月31日以前に建築された建物であること。
・相続から3年目の年末までに売却すること。
・耐震基準を満たすためのリフォームを行うか、建物を取り壊して更地にすること。
詳細は国税庁の「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」をご参照ください。
不動産売却時の注意点|損をしないためのポイント
不動産の売却には多くの手続きが関わるため、注意すべきポイントを見落とすとトラブルや想定外の出費につながることがあります。
ここでは、注意点を具体的に解説します。
1. 売買契約内容のチェックは慎重に
契約書の内容は一度締結すると変更が難しくなるため、特に以下のポイントは不動産会社任せにせず、自分でも確認しましょう。
・手付金の金額と返還条件
・引き渡し日と残代金の支払い条件
・契約不適合責任(旧:瑕疵担保責任)の範囲と期間
・設備や備品の引き渡し条件(エアコンや照明器具など)
重要事項説明書(重説)とセットで内容をよく理解し、不明点は遠慮なく質問しましょう。
2. 税金・手数料などのコストを事前に把握しておく
売却によって得られる金額は「売却価格=手取り額」ではありません。
以下のような費用が差し引かれることを見越しておくことが大切です。
✔ 売却時にかかる主な費用:
・仲介手数料(売却価格 × 3%+6万円+税)
・抵当権抹消登記の費用(司法書士費用含む)
・譲渡所得税・住民税(利益が出た場合)
・引っ越し費用や住み替え先の諸費用
→とくに「譲渡所得税」と「仲介手数料」は大きな支出となる可能性があるため、事前にシミュレーションしておくと安心です。
3. 住宅ローンが残っている場合の注意点
ローンが完済されていない状態で売却する場合、金融機関の承諾が必要です。
売却代金でローンを完済できない場合は、「任意売却」など特殊な手続きが必要になることもあるため、早めに金融機関へ相談しましょう。
よくある質問(FAQ)|不動産売却の疑問を解消!
Q1. 不動産の売却にはどれくらいの時間がかかりますか?
一般的に、売却開始から引き渡し完了までの期間は3〜6ヶ月程度が目安です。
・査定・価格決定:約1〜2週間
・売却活動(内見〜買主決定):1〜3ヶ月
・売買契約〜引き渡し:約1ヶ月
ただし、物件の立地や状態、価格設定によっては半年以上かかるケースもあります。
売却時期(繁忙期/閑散期)による差も大きいため、余裕を持ったスケジュールを立てましょう。
Q2. 不動産売却の仲介手数料は誰が負担するの?
基本的に、売主と買主がそれぞれ自分の不動産会社に対して仲介手数料を支払うのが一般的です。
■ 売却時の仲介手数料の上限(宅地建物取引業法による)
売買価格 × 3% + 6万円(+消費税)
※例:3,000万円で売却した場合 → 約105万6,000円(税込)
媒介契約の形態や業者との合意内容によって変わる場合もあるため、契約前に必ず確認しましょう。
まとめ|不動産売却を成功させるためのポイント
不動産の売却は、人生の中でも大きな決断のひとつ。
だからこそ、準備不足や思い込みによるミスは避けたいところです。
本記事でご紹介したように、売却の流れや必要な書類、税金、契約内容、注意点をあらかじめ理解しておくことで、予期せぬトラブルや損失を防ぐことができます。
不動産の売却に関して「何から始めたらいいかわからない」「自分のケースではどうなるの?」といった疑問がありましたら、お気軽に「売買の窓口」までご相談ください。
最新の記事