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【確定申告】住宅ローン控除と譲渡所得は併用できる?同年申請の注意点を解説

売却

税金、経費

2026.02.16

【確定申告】住宅ローン控除と譲渡所得は併用できる?同年申請の注意点を解説

2026.02.16

【確定申告】住宅ローン控除と譲渡所得は併用できる?同年申請の注意点を解説売買の窓口】

確定申告の季節になると「住宅ローン控除を受けたいけど、同じ年に不動産を売って譲渡所得が出た」「両方申告しても大丈夫?」という疑問がよく出ます。

結論から言うと、住宅ローン控除と譲渡所得の両方を同じ年に申告することは可能です。

ただし、それぞれに異なる条件や注意点があるため、正しく理解して申告を行う必要があります。

そこで本記事では、手続きの流れと税務上のポイントをわかりやすく整理します。


住宅ローン控除とは

住宅ローン控除(正式名称:住宅借入金等特別控除)とは、住宅を取得・新築・増改築するために住宅ローンを利用した場合に、年末時点の住宅ローン残高に応じて、所得税や住民税の一部が控除される制度です。

マイホーム取得に伴う税負担を軽減することを目的として設けられています。

控除期間は原則として10年間(※取得時期や住宅の種類により異なる場合あり)で、控除率や控除額の上限は税制改正によって変わることがあります。

そのため、住宅を取得した年度ごとに適用条件や控除内容を確認することが重要です。


住宅ローン控除を受けるためには、一定の要件を満たす必要があります。

主な要件としては、実際に居住していること、床面積の基準を満たしていること、合計所得金額が一定額以下であることなどが挙げられます。

また、控除の適用を受ける初年度は、会社員であっても年末調整ではなく、原則として確定申告を行う必要があります。 

会社員の場合、初年度に確定申告を行えば、2年目以降は勤務先での年末調整により住宅ローン控除が適用されます。

ただし、転職や収入状況の変化、他の所得の発生などによっては、再度確定申告が必要になるケースもあるため注意が必要です。


譲渡所得とは

譲渡所得とは、土地や建物といった不動産を売却して得られる利益のことを指します。

具体的には、売却価格から「取得費(購入時の価格や登記費用など)」と「譲渡費用(仲介手数料や登記抹消費用など)」を差し引いた金額が「譲渡所得」となります。

計算式は以下のとおりです: 譲渡所得 = 売却価格 −(取得費 + 譲渡費用) 

不動産の譲渡所得は、通常の所得とは異なり分離課税として扱われ、所得税・住民税が別途課税されます。


ただし、自宅(マイホーム)を売却した場合には、税負担を軽減するための特例が複数用意されており、その代表的なものが「居住用財産の3,000万円特別控除」です。

この特例を利用すれば、一定の要件を満たすことで譲渡所得から最大3,000万円を控除できるため、課税対象となる所得を大幅に圧縮することが可能になります。

たとえば譲渡益が2,500万円であれば、全額非課税となるケースもあるのです。


なお、3,000万円特別控除の適用には、「売却した住宅に住んでいた期間」や「売却の事情(たとえば親族への譲渡ではないこと)」など、細かい要件があります。

また、同年に他の特例を利用する場合(たとえば住宅ローン控除など)には併用できないケースもあるため、制度ごとのルールをしっかり確認する必要があります。


住宅ローン控除と譲渡所得を同じ年に申告して大丈夫?

「住宅ローン控除を受けつつ、同じ年に不動産を売却して譲渡所得が発生した場合、確定申告で両方を同時に申告しても問題ないのか?」という疑問は、確定申告時によく見られる質問の一つです。

結論としては、住宅ローン控除と譲渡所得の申告は、同一年であっても原則として併用可能です。

ただし、それぞれが独立した制度であることから、申告時には必要な書類や記載箇所が異なるほか、制度上の一部制限や適用要件に十分注意する必要があります。


具体的には、住宅ローン控除の申告には「住宅借入金等特別控除額の計算明細書」、譲渡所得の申告には「譲渡所得の内訳書(分離課税用)」などが必要になります。

これらを添付のうえ、確定申告書(A様式またはB様式)に記入し、所轄の税務署へ提出します。

また、譲渡所得は「分離課税」住宅ローン控除は「所得控除」に関わる制度であり、それぞれ税額への影響の仕方が異なります。

そのため、両方の制度を利用する場合は、申告内容が互いに影響しないか、併用条件を満たしているかをあらかじめ確認しておくことが重要です。


なお、確定申告の提出期間は、通常翌年の2月16日から3月15日までです(休日等により多少前後する場合あり)。

この期間内に提出しないと、控除の適用が受けられなかったり、ペナルティが発生したりする可能性があるため、早めの準備がおすすめです。


住宅ローン控除と譲渡所得併用時の注意点

住宅ローン控除と譲渡所得に関する申告は原則として併用可能ですが、いくつかの税制上の制限や落とし穴があります。

注意すべき点として、「3,000万円特別控除との関係」と「合計所得金額による制限」の2つが挙げられます。

これらは税務署でも相談が多いテーマのため、事前にしっかり確認しておくことが大切です。


①3,000万円特別控除との関係

不動産を売却して譲渡益が出た場合、自宅(居住用財産)であれば「3,000万円特別控除」を利用して、課税対象となる譲渡所得から最大3,000万円を控除することが可能です。

この制度は非常に有利ですが、一部のケースでは住宅ローン控除との併用が認められない場合があります。

たとえば、旧居(元のマイホーム)を売却して3,000万円特別控除を受け、その年に新居を取得して住宅ローン控除を受けようとする場合、一定の条件下ではどちらか一方しか選べないというルールが存在します。

これは「買換え特例等」との関係で、租税回避を防ぐための措置として設けられています。

税法上の判断基準は複雑で、売却と取得の時期や居住状況、新旧の物件の所有関係などが絡むため、「どちらの控除を優先すべきか」を税理士等に相談することが推奨されます。


②所得制限による影響

住宅ローン控除には、控除を受けるための条件として合計所得金額が一定額以下であることが求められます(例:2022年度以降は原則2,000万円以下)。

この「合計所得金額」には、給与所得や事業所得などが含まれます。

一方で、譲渡所得は分離課税扱いとなり、原則として合計所得には含まれません。

ただし、譲渡所得が大きく、他の所得と合わせて税額計算に影響を及ぼす場合や、譲渡損失の繰越控除などを活用している場合には、間接的に住宅ローン控除の適用可否に関係してくることもあります。


また、3,000万円控除などの特例を使っても、控除しきれなかった譲渡益が残ってしまうと、その分が課税所得に含まれ、最終的な所得金額を押し上げることがあります。

収入が多い年や、不動産の売却価格が高額な場合ほど、住宅ローン控除の適用に注意が必要です。


③譲渡所得がある年の住宅ローン控除の取り扱い

住宅ローン控除を受けている最中にマイホームを売却して譲渡所得が発生した場合、その年の住宅ローン控除が適用されるかどうかについては、売却のタイミングや居住実態によって異なります。 

以下では、住宅ローン控除と譲渡所得が重なる年における取り扱いや注意点を解説します。


⚫︎売却した住宅に引き続き「居住」していたかがカギ

住宅ローン控除は、「その年の12月31日時点で、本人が対象住宅に住んでいること」が基本条件です。

つまり、同じ年に住宅を売却してしまった場合、年末時点でその住宅に居住していなければ、その年の住宅ローン控除は適用されません。

例: 2025年3月に住宅を売却 → 2025年の年末に住んでいない → 住宅ローン控除は不可 2025年12月下旬に売却 → 

年末まで住んでいた場合 → 2025年分の控除は可能

このように、売却日と居住実態によって適用可否が決まるため、年内に売却するか、年明け以降に売却するかで控除の扱いが変わる点に注意が必要です。


⚫︎譲渡所得の発生と控除への影響は別枠で考える

住宅の売却によって譲渡所得が発生したとしても、それ自体が直接的に住宅ローン控除の適用可否に影響することはありません。

住宅ローン控除の判断基準は、あくまでその住宅に対するローンの有無と、年末時点の居住状況です。 

ただし、売却益が出て「合計所得金額」が増加した場合、住宅ローン控除の所得制限(例:2,000万円以下など)に引っかかる可能性があるため注意が必要です。

特に給与や事業所得が多い方は、譲渡益と合わせて確認しておきましょう。


⚫︎特例制度との併用制限にも注意

売却によって「居住用財産の3,000万円特別控除」などの特例を利用する場合、新たに住宅ローン控除を受ける予定があると、併用制限に該当する可能性があります。 

同一年に旧居を売却(3,000万円控除) 新居を購入し住宅ローン控除を申請 → 併用不可となる場合があります。

このように、どちらか一方を選択しなければならないというケースもありますので、売却と購入のタイミングは計画的に行い、事前に税理士や税務署へ確認しておくことが重要です。


確定申告の具体的な手続き

住宅ローン控除と譲渡所得の申告は、それぞれ異なる書類と手続きが求められます。

スムーズに申告を進めるためには、必要書類を早めに準備し、提出方法や提出先を正確に把握しておくことが重要です。

控除・所得別の必要書類と、e‑Taxと書面申告の違いについて解説します。 


1. 必要書類(住宅ローン控除) 

住宅ローン控除を確定申告で申請する場合、以下の書類が必要です: 

・確定申告書(A様式またはB様式) 

・所得税の申告用紙。住宅ローン控除の適用を受ける場合は該当欄に記入します。 

・住宅借入金等特別控除額の計算明細書

・控除額を計算する専用の明細書。国税庁のウェブサイトや税務署で入手可能です。

・住宅ローン年末残高証明書 金融機関から毎年送付されるもので、年末時点のローン残高を証明する書類です。

・不動産の売買契約書の写し

・登記事項証明書 対象となる住宅が自分の持ち家であることを証明する書類。 

・源泉徴収票(給与所得者の場合) 所得金額や支払税額を確認するために必要です。

これらの書類は、初年度の申告時に必要となります。

2年目以降は年末調整で控除を継続できるため、基本的に確定申告は不要です(ただし、転職や所得変動がある場合は除く)。


2. 必要書類(譲渡所得)

動産売却による譲渡所得を申告する際には、次の書類を揃えておきましょう: 

・売却契約書(売買契約書) 売却金額や日付が記載された契約書のコピー。 

・取得時の契約書・領収書など(取得費の証明) 購入時の価格を証明するための契約書や領収書。 

・譲渡費用の証拠資料 仲介手数料や登記費用など、売却にかかった経費を証明する書類。 

・登記事項証明書 対象不動産の所有者情報を確認するために必要。 

・3,000万円特別控除を利用する場合の確認書類 居住用財産であることを証明する書類や、家屋の取り壊し証明など。 

譲渡所得の申告では、取得費や譲渡費用の証明書類が不十分だと、正しく控除が受けられず課税額が増える可能性があるため、領収書や契約書はしっかり保管しておきましょう。 


3. e‑Taxと書面申告

確定申告の提出方法は大きく分けて「e‑Tax(電子申告)」と「書面による申告」の2種類があります。 

▷ e‑Tax(イータックス)

国税庁が提供するオンライン申告システムで、マイナンバーカードやID・パスワード方式でログインして利用できます。

メリット: 添付書類の一部が省略可能(提出不要) 

還付金の振込が早い(最短2〜3週間) 

自宅から申告が完了 


▷ 書面申告:

税務署に書類を郵送するか、直接持参する方法です。

 メリット: パソコン操作が苦手な方にも安心

記載ミスがあってもその場で指摘を受けられることも

近年はe‑Taxの利用率が上昇しており、利便性の面でも優れているため、可能であれば電子申告の活用がおすすめです。


よくあるQ&A

確定申告の時期には、「住宅ローン控除と譲渡所得の併用」に関して多くの質問が寄せられます。

ここでは、実際によくある2つのケースについて解説します。


Q. 住宅ローン控除の申告を忘れた場合、あとからでも申請できますか? 

A. はい、条件を満たせばあとからの申請も可能です。

住宅ローン控除は、本来確定申告期間内(例年2月16日〜3月15日)に申告を行う必要がありますが、やむを得ず申告を忘れてしまった場合でも、過去5年以内であれば「更正の請求」または「還付申告」によって修正申請が可能です。

会社員の場合、初年度の申告を忘れると2年目以降の年末調整で控除が適用されないため注意が必要です。

特に、e‑Taxを使えば過年度分の申告も比較的簡単に行えるようになっています。

ただし、ケースによっては制度変更や条件の見直しがあるため、必ず税務署または税理士に相談してから手続きを進めましょう。


Q. 不動産を売却して利益が出た場合でも、住宅ローン控除は継続できますか? 

A. 場合によっては継続できません。

売却の内容と時期に注意が必要です。 

住宅ローン控除は、「自らが住んでいる住宅を対象とした控除」です。そのため、対象住宅を売却した時点で、その物件に係る住宅ローン控除は終了するのが原則です。

たとえば、新居を購入して住宅ローン控除を受けていたが、数年後にその住宅を売却した場合、その年以降は住宅ローン控除を受けられなくなることが多いです。

また、売却して譲渡所得が発生した場合でも、新たに住宅ローンを組んでマイホームを取得すれば、新たな物件について再度住宅ローン控除の対象となる可能性があります。

要件が複雑になるため、旧居と新居の売買・居住状況・ローン契約のタイミングを踏まえた個別判断が必要です。

心配な場合は、事前に税務署へ確認するか、税理士に相談することをおすすめします。


まとめ

住宅ローン控除と譲渡所得は、それぞれ異なる制度ではありますが、同じ年に発生した場合でも、確定申告によって両方を適切に申告することは可能です。

ただし、それぞれに適用条件や併用に関する制限があるため、正しい知識と準備が不可欠です。 

住宅ローン控除では、年末時点での居住状況や住宅ローン残高の証明など、基本的な条件を満たしているかどうかが重要なポイントです。

一方、譲渡所得については、取得費や譲渡費用を正しく計上することで、不要な課税を避けることができます。 

特に注意すべきなのは、「居住用財産の3,000万円特別控除」との併用に関するルールや、合計所得金額による住宅ローン控除の適用制限です。

これらの制度を併せて利用する場合は、適用の可否を慎重に確認し、場合によってはどちらかを選択する必要があることもあります。


確定申告は期限が決まっており、必要書類の準備や記載内容の確認に時間がかかるため、早めの行動が何よりも重要です。

申告を忘れてしまった場合や判断に迷うケースでは、税務署や専門家に相談することで、適切な対応ができます。 

税制は年ごとに変わることもあるため、最新の情報を基に判断することも非常に大切です。住宅の売却や購入がある年は特に、制度を正しく理解したうえで、余裕をもった確定申告を心がけましょう。