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住宅ローンの返済比率とは?審査の目安・計算方法・下げ方を徹底解説
住宅ローンを検討するとき、多くの人がつまずくのが「返済比率(返済負担率)」です。
返済比率は、年収に対して年間返済額がどれくらい占めるかを示す指標で、金融機関の審査でも重要視されます。
ただし大事なのは、審査に通る比率=安心して返せる比率ではないこと。
この記事では、返済比率の意味・計算方法・目安・下げ方、そして見落としやすい注意点までをまとめて解説します。
住宅ローンの返済比率(返済負担率)とは

住宅ローンの返済比率とは、年収に対する年間返済額の割合を示します。
金融機関は、住宅ローンを融資する際に、この返済比率を参考にして、返済計画が年収に対して無理のないものであるかを判断します。
返済比率が高いと、年収に占める住宅ローンの割合が大きくなり、家計を圧迫しやすくなります。
そのため、返済比率が低い方が審査に通りやすく、返済比率が高いとローンの滞納リスクも高まるため、審査が厳しくなるのです。
返済比率とは、次のように定義できます。
返済比率(%)= 年間返済額 ÷ 年収 × 100
ポイント : 住宅ローン以外の借入も「合算」されやすい
審査で見られるのは、住宅ローンだけでなく、自動車ローン・教育ローン・カードローン・クレカ分割/リボなども含めた年間返済額(=総返済負担率)です。
「月々は少額だから大丈夫」と思っている支払いが、返済比率を押し上げる原因になります。
返済比率の計算方法
計算はシンプルです。
返済比率(%)=(住宅ローン+他の借入の年間返済額)÷ 年収 × 100
[計算例]
毎月の返済額:10万円
年収:500万円
年間返済額は、10万円×12=120万円
返済比率は、120万円 ÷ 500万円 × 100=24%
⚫︎年間返済額に含めたい見落としがちな支払い
クレジットカードのリボ・分割払い
自動車ローン
奨学金返済
スマホ端末の分割(割賦) など
※金融機関は信用情報も含めて確認します
返済比率の目安

⚫︎審査でよく語られる目安:30%〜35%(年収帯で変わる)
例として、フラット35では「総返済負担率」の基準が次の通り示されています。
年収400万円未満:30%以下
年収400万円以上:35%以下
民間ローンでも似た考え方が紹介されることが多いです。
ただし、返済比率が基準内でも、勤続年数・健康状態・信用情報などで審査結果は変わります。
⚫︎安全圏(生活を崩しにくい)目安:手取りの20%〜25%
家計を守る観点では、「審査に通る上限」ではなく、余裕を残す比率が重要です。
教育費・車の買い替え・修繕費・固定資産税など、住み始めてから増える支出は多いからです。
返済比率を下げる方法

住宅ローンの返済比率が高いと、審査で不利になりやすいだけでなく、実際の生活でも「貯蓄が増えない」「急な出費に耐えられない」など家計の余力が削られがちです。
ここでは、返済比率を現実的に下げる代表的な方法を、効果が出やすい順に整理して紹介します。
1)住宅ローン以外の借入を減らす
返済比率は住宅ローン単体ではなく、自動車ローン、教育ローン、カードローン、クレジットカードの分割・リボ、奨学金などを含めた年間返済額で見られることが一般的です。
つまり、住宅ローンの条件を工夫する前に、すでにある借入を整理するだけで返済比率が大きく改善するケースがあります。
特に、金利が高くなりやすいカードローンやリボ払いは、家計への負担も重く、審査上の印象も悪くなりがちです。
可能であれば、完済して返済の実態をなくすことを目標にし、毎月の固定支出を軽くしてから住宅ローンに臨むほうが安全です。
借入を減らせれば、返済比率だけでなく「家計の余裕」そのものが増え、購入後の生活も安定しやすくなります。
2)頭金を増やして借入額を下げる
頭金を増やすと借入額が減るため、月々の返済額が下がり、結果として返済比率が改善します。
さらに借入元本が小さくなれば、支払う利息の総額も抑えられやすいのがメリットです。
ただし、頭金を増やすことだけに集中して貯金を使い切ると危険です。
入居後は、引っ越し・家具家電・固定資産税・保険料など「想定外の出費」が重なりやすく、手元資金が薄いと一気に家計が詰まります。
頭金は、生活防衛資金(急な病気や失業、車検などに対応できる資金)を残したうえで、無理なく入れるのが基本です。
3)返済期間を延ばして月々の返済額を抑える
返済期間を長く設定すると、毎月の返済額が下がり、返済比率を落としやすくなります。
審査で「比率が少し高い」と言われる場合の調整策としては、即効性のある方法です。
一方で、返済期間が長いほど利息を払う期間も伸びるため、一般的に総返済額は増えやすい点には注意が必要です。
また、完済年齢が高くなると、老後の生活費とローン返済が重なり、資金繰りが厳しくなるリスクも高まります。
期間を延ばす場合は、「今の月々を楽にする」だけでなく、完済年齢と将来の収入見通しまで含めて判断しましょう。
4)物件価格・購入条件を見直す
返済比率を確実に下げたいなら、購入する物件価格そのものを見直すのが最も堅実です。
住宅ローンは「借りられる金額」まで借りると、家計の余裕が消えやすくなります。
大切なのは「返せる金額」よりも、教育費・車・修繕・税金まで払って暮らし続けられる金額に収めることです。
たとえば、駅距離やエリアを少し広げる、築年数の条件を緩める、広さや間取りの優先順位を整理するなど、選び方を変えるだけで予算を下げられることもあります。
購入条件を調整して返済比率を下げられれば、審査面でも生活面でもプラスに働きやすく、「買った後に苦しい」を防ぎやすくなります。
注意すべきポイント

収入の変動リスク
収入は常に安定しているわけではありません。
転職、病気、会社の業績悪化など、さまざまな要因で収入が変動する可能性があります。
返済計画を立てる際には、収入が減少した場合にも対応できるよう、余裕を持った計画を立てることが重要です。
例えば、夫婦の共働きを前提に返済計画を組んだ場合、どちらかの収入が減ったときには家計に大きな負担がかかります。
家族の介護や病気などで生活費が厳しくなるケースも考えられます。
現在の収入が将来も維持できるかは不確実ですので、長期のライフプランを見据えた慎重な資金計画が求められます。
返済比率を指標にして、収入の減少や支出の増加があっても無理なく返済を続けられるような借入額を考えることが大切です。
特に、夫婦共働きで「2馬力」で返済する場合のメリット・デメリットをしっかりと考慮しましょう。
金利上昇の影響
住宅ローンの金利は固定金利と変動金利があります。
変動金利を選んだ場合、将来的に金利が上昇する可能性があります。
金利が上がると、毎月の返済額が増えるため、返済比率も高くなります。
金利上昇リスクを考慮し、余裕を持った返済計画を立てることが必要です。
金利は変動金利より高くなりますが、固定金利を選ぶことで金利上昇のリスクを回避することも一つの方法です。
生活費と返済のバランス
生活費と住宅ローンの返済のバランスを保つことは非常に重要です。
まず、予算管理を徹底し、収入と支出のバランスを見直すことから始めましょう。
緊急時の備えとして、貯蓄を確保することも忘れないようにしましょう。
また、必要に応じて生活費を見直し、無理のない返済計画を立てることが大切です。
例えば、毎月の支出を見直し、削減可能な項目を見つけることで、予期せぬ出費にも対応できる余裕を持つことができます。
まとめ
住宅ローンの返済比率は、年収に対する年間返済額の割合で、審査でも家計管理でも欠かせない指標です。
審査目線では「総返済負担率」として、住宅ローン以外の借入も含めて評価されやすい点が重要です。
一方で、審査の上限ギリギリで組むと、金利上昇・収入減・教育費増などで家計が詰むリスクがあります。
返済比率は通るかではなく、暮らせるかで設計しましょう。
不動産売買や資金計画で迷う点があれば、状況を整理したうえで早めに専門家へ相談するのがおすすめです。
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