不動産売却の種類

不動産の売却には、主に「仲介」と「買取」という二つの方法があります。

これらの違いを説明します。

①仲介

不動産売却の「仲介」とは、売り手と買い手の間で取引を円滑に進めるために、専門の不動産会社が介入し、サポートを提供する方法です。

この方法は、不動産会社が市場の専門知識や広範な販売ネットワークを活用し、物件の適切な価格設定や広告掲載を行います。

また、契約書の作成や交渉のサポートなど、取引の各段階で専門的なアドバイスとサポートを提供し、取引が公正かつスムーズに進むよう努めます。

仲介を通じて、売り手は効率的に、適正価格での売却を目指すことができ、複雑な手続きや交渉過程でも安心して進めることが可能です。

仲介のメリット

・高価格で売却が可能

不動産会社が市場分析に基づいた適正価格の設定、効果的な販売戦略、ターゲット市場への正確なアプローチ、そして市場動向の精密な把握を通じて、物件の魅力を最大限に引き出し、幅広い潜在的買い手にアピールを行います。 

これらの専門的なサービスと戦略により、物件は市場価値以上で売却される可能性が高くなり、売主にとって有利な条件で取引を進めることができます。

・サポート体制がある

買取の場合、売主は直接買い手となる不動産会社を見つけ出し、交渉を進める必要があり、不慣れな場合は不利な条件で売却してしまうリスクがあります。

しかし、仲介の場合、不動産会社が買い手を見つける作業を担い、売却の全過程をプロフェッショナルな視点でサポートしてくれます。

これにより、不動産取引の経験や知識が乏しい売主も、安心して売却活動を進めることが可能になります。

仲介のデメリット

・売却に時間がかかる

仲介による不動産売却では、買い手を見つける活動や買主の住宅ローン審査など、多くのステップを経る必要があります。

これらの手続きには時間がかかるため、直接買取に比べて売却が完了するまで長くなることがあります。

特に、適切な買い手が容易に見つからない場合は、売却活動の期間がさらに伸びる可能性があります。

・仲介手数料が発生する

仲介を通じて不動産の売買契約が完了した際には、不動産会社への報酬として仲介手数料が必要になります。

この仲介手数料は、法律によってその最高額が設定されており、例えば、売却価格が400万円を超える場合、「物件価格の3％ ＋ 6万円 ＋ 消費税」が上限となります。

ときには売却金額が高額になりがちな不動産売却においては、仲介手数料も高くなる傾向があります。

支払いの段階になって慌てないように、あらかじめ把握しておくことが大切です。

②買取

不動産売却の「買取」とは、売主が直接不動産会社に物件を売る方法です。

この方式では、不動産会社が買い手となり、仲介業者を介さずに取引を行います。

手順としては、まず不動産会社が物件を査定し価格を提示、売主がその価格に同意すれば契約を結び、その後決済と物件の引渡しを行います。

買取のメリット

・迅速な売却が可能

買取では、不動産会社が直接買主となるため、売却が迅速に進みます。

買取価格にすぐに合意できる場合、速やかに売却が可能で、最短で1週間以内に売買契約を結び、1ヶ月程度で全ての決済を完了させることができます。 

・仲介手数料が発生しない

不動産の買取においては、不動産会社が直接買い手となるため、仲介手数料が発生しないのが一般的です。

仲介の場合、売買契約を成立させるために不動産会社が提供する仲介サービスに対して手数料を支払いますが、買取ではこの仲介プロセスがないため、手数料を節約できるというメリットがあります。 

・契約不適合責任が免除される

買取で不動産を売却する場合、一般的に、契約内容に違反する事項（例えば、物件の状態が契約時に申告した内容と異なるなど）に関する売主の責任は免除されることが多いです。

これは、売却後に物件に不具合が見つかった場合でも、売主がその修復費用を負担する必要がないことを意味します。

買取のデメリット

・売却価格が低い

買取を通じて不動産を購入した会社は、その物件を改修したり更新したりして価値を高め、利益を得るために再販売します。

これには追加投資が必要であり、さらに、再販後の物件が確実に売れるわけではないため、不動産会社はある程度のリスクを負うことになります。

このような背景から、買取価格は通常、仲介を利用した場合の売却価格に比べて低めに設定される傾向があります。

・物件によっては買取できない

ほとんどの場合、建物に損傷があったり、内部の状態が良くない場合でも、不動産会社は買取を行うことが可能です。

しかし、物件の老朽化が非常に進んでおり、再利用が困難である場合や、法的な理由で再建築が許されない不動産では、買取が実施されないこともあります。

「買取保証付き仲介」とは？

「買取保証付き仲介」は馴染みのない方も多いでしょう。

「買取保証付き仲介」とは、不動産の売却方法の一つで、仲介を通じて不動産を売却する際に、もし一定期間内に売却が成立しなかった場合には、あらかじめ合意した条件で不動産会社がその物件を買い取ることを保証するサービスです。

この方法では、最初は通常の仲介と同様に不動産会社が市場に物件を出して買い手を探しますが、もし期限までに適切な買い手が見つからない場合には、不動産会社自身が売主から物件を買い取りを行います。

買取保証付き仲介のメリット

・売却の確実性

一定期間内に買い手が見つからない場合でも、不動産会社が買い取ることが保証されているため、売却が確実に行われます。

これにより、売主は物件の売却に関する不確実性を減らすことができます。 

・時間的制約への対応

新居への引っ越しや、資金が必要な特定の期日がある場合でも、買取保証があることで、それらの時間的制約に合わせた売却が可能になります。 

・仲介による高価格での売却チャンス

最初は通常の仲介として市場で買い手を探すため、市場価格での売却が可能です。

買取保証を利用する必要がなければ、仲介を通じて最適な価格での売却が望めます。

・安心感の提供

売却活動を通じて不安を感じることなく、一定の安心感を持ってプロセスを進めることができます。

買取保証があることで、心理的な負担が軽減されます。

買取保証付き仲介のデメリット

・保証価格の低さ

買取保証の価格は通常、市場価格よりも低設定されることが多いです。

・買取保証の利用による機会損失

買取保証を利用することで確実に売却できる反面、もし市場が予想以上に好転し、高価格で売れる可能性があった場合でも、保証価格での売却となるため、機会損失が発生することがあります。 

・不動産会社の選定

買取保証付き仲介を提供する不動産会社は限られているため、選択肢が狭まる可能性があります。

また、会社によっては買取保証の条件が不利である場合もありえるため、複数の会社を比較検討することが重要です。

価格よりも確実に売りたい方におすすめ

買取保証付き仲介を利用する際、保証された買取価格が市場価格よりも低くなる点は欠点ですが、住み替えなどで不動産を確実に売りたい人にはおすすめです。

最終的には迅速かつ確実に物件を現金化できるため、安心感や計画性を重視する方に支持されます。

ただし、より良い条件で売却するためには、複数の不動産会社に査定を依頼し、販売実績や資金力のある会社を選択することが重要です。

不動産の売買でお困りの方は、売買の窓口までお気軽にご相談ください。