不動産査定とは、土地や建物などの不動産の価値を金額として評価することを指します。これは主に不動産を売却する際、あるいは購入する際の参考価格として算出されます。査定は専門的な知識と経験を持つ不動産会社や専門家に依頼されることが一般的です。

本記事では、査定の基礎知識や、高額査定を受けるためのポイントについて詳しく解説します。

不動産査定の基礎知識

不動産査定の基礎知識を習得することは、成功した売却に繋がります。査定とは、土地や家などの不動産の価値、すなわち評価額を算出する流れのことを指します。

査定を行う際には、以下のような点が考慮されることがあります。

・物件の場所：立地条件やアクセス性、周辺の生活インフラなど

・物件の特性：土地の面積や形状、建物の構造や築年数、状態など

・市場の動向：近隣の不動産取引の実績や、市場の需要と供給の状況

・法的な制約や権利関係：都市計画法に基づく区域や、建築基準法に関する制約、権利関係など

不動産査定の種類

1. AI査定

AI査定は、過去の取引事例のデータをもとにして、AIが統計的に査定価格を算出するものです。一般に「匿名査定」と呼ばれる査定方法の1つであり、個人情報の入力は必要最低限で済みます。不動産会社に依頼しない査定方法のため、24時間いつでも短時間で査定結果を知ることができることが特徴です。

2. 机上査定

机上査定（きじょうさてい）とは、お家の中を見ずに査定する方法で、簡易査定とも呼ばれます。

物件を実際に訪問することなく、提供された情報や公に知られているデータベースなどの情報を基にして、査定額を算出する方法です。物件への訪問が不要なので、比較的短時間で査定結果が得られ、物件の所有者や利用者が査定担当者と直接会う必要がないため、短時間で査定額を算出できる点が特徴です。

しかし、実際の物件の状態を直接確認していないため、詳細な状態を反映した査定額ではありません。

3. 訪問査定

訪問査定とは査定担当者が実際に物件を訪問し、直接現地の状態や特徴を確認しながら査定額を算出する方法です。物件の内外の状態、周囲の環境など、細部までチェックすることが可能です。

物件の状態を不動産会社の営業担当者が実際に訪れて確認するため、訪問日の調整や、調査をした後、結果が出るまでに1週間程度はかかるなど、時間と手間がかかります。しかし、実際の物件の状態を基にした査定となるため、信頼性が高いことが特徴です。

物件の売却や購入を検討している際には、まずは机上査定で大まかな価格を知り、その後訪問査定を行うという手順が一般的です。

マンション、土地、持ち家：それぞれの査定ポイント

マンション、土地、持ち家、それぞれの不動産タイプには異なる査定ポイントがあります。以下に、各不動産タイプにおける主な査定ポイントを解説します。

マンションの査定ポイント

1.立地条件：駅や交通機関からの距離、周辺の商業施設や学校の有無など。

2.建物の築年数：新しいマンションほど価格が高くなる傾向がある。

3.階数と向き：上階や南向きなどの好条件の部屋は高価格傾向。

4.管理状況：管理組合の健全性や、共用部の維持状態など。

5.専有面積：部屋の広さ。

6.修繕履歴：大規模修繕などの履歴。

土地の査定ポイント

1.立地条件：主要な道路や施設へのアクセス、景観、周辺の環境など。

2.地目：宅地、畑、山林などの土地の利用形態。

3.地形や形状：平坦な土地や、正方形に近い形状は高評価。

4.接道状況：公道にどれくらいの面積で接しているか、車の出入りが容易かなど。

5.法的な制約：都市計画法や建築基準法などによる制約。

住宅（戸建て）の査定ポイント

1.立地条件：マンションと同様に交通アクセスや周辺環境が重要。

2.建物の築年数と構造：木造、鉄骨造、RC造などの構造や、築年数。

3.敷地面積と建物面積：土地と建物の広さ。

4.建築基準法に適合しているか：違反していないかどうか。

5.リフォーム・改築の履歴：新しくリフォームや改築をした場合、価格アップの要因となることが多い。

6.設備の状態：水回りや暖房設備などの状態。

それぞれの不動産タイプには、上記以外にも多くの査定ポイントが考慮されます。査定を依頼する際は、専門の不動産業者に相談することで、適切な評価を受けることができます。

不動産の査定額を高めるコツ

複数の不動産会社に査定を依頼する

複数の不動産会社からの査定額を比較することで、物件の適正価格や市場価格をより正確に把握することができます。 また、複数の業者との接触を通じて、それぞれの業者の対応や提供するサービスの品質を比較することができ、専門知識、対応の速さ、誠実さなどを確認し、自分に合った業者を選ぶ材料となります。

良い不動産会社を選ぶことが、高額な査定額を得るコツとなります。実際に評価額が高ければ、売却時にも高い額で売れる可能性が高まります。そのため、不動産会社の選び方や、その評価方法をしっかりと調べることが必要です。

相場を事前に調べておく

査定を依頼する前に、予め自分で相場を把握しておくことも大切です。相場を把握しておくことで、査定額が適正であるか判断することができます。不動産の査定相場を自分で調べるには、「土地総合情報システム」や「レインズマーケットインフォメーション」、各不動産業者の物件を検索できるサイト、「国土交通省地価公示・都道府県地価調査」などを利用すると調べることができます。

一括査定サイトの活用方法

近年、一括査定サイトの利用が増えています。これは、複数の不動産会社に一度に査定依頼ができ、最も高い査定額を提示してくれる会社を見つけることができるためです。ただし、ここでも悪徳業者に騙されないよう要注意が必要です。

売却前の準備: 3つの要注意事項

1.不動産の状態を良くする

実際に見られることを意識して、家や土地の整理整頓をする。

2.必要な書類をまとめる

所有権の証明や土地の区画図など、売却に必要な書類を予め準備する。

3.情報をしっかりと知る

近隣の売却実績や市場の動向など、査定に関わる情報を事前に調べる。

成功のための最後のポイント

お客様の声やメディア情報を活用する

売却を成功させるためには、他のお客様の声やメディア情報を活用することも大切です。これにより、市場の流れや業者の評価を正確に把握することができます。また、友人や知人、専門家などの第三者の意見も参考にし、不動産会社との交渉や契約内容の確認に活用すると良いでしょう。

業者選びの基準

信頼性、実績、評価など、業者選びの際の基準を明確にしておくと良いです。地域の専門知識を持つ業者や、過去の成功実績が豊富な業者を選ぶのがおすすめです。

査定額だけでなく、サポート内容も確認

査定額だけでなく、物件売却後のアフターサポートや、売却活動中のサポート体制も確認しておくことが重要です。

契約内容を確認

売却する際の手数料、契約の期間、中途解約の際のペナルティ等、契約に関する詳細を事前に確認しておくと安心です。

無料での問い合わせや検索の役立ち情報

売却を検討している方は、無料での問い合わせや検索を積極的に活用することをおすすめします。これにより、不動産の売却に関する最新の情報やコツを知ることができます。

まとめ

不動産会社に査定依頼をする際には、上記のポイントを参考にして、しっかりとした下準備を行うことが、スムーズな査定や売却活動の進行に繋がります。査定は一社ではなく、複数の業者に依頼することで、適正価格の確認、交渉力の強化、業者の選定、売却戦略の最適化など、多くのメリットを享受することができます。売却を検討している場合、複数の業者に査定を依頼することをおすすめします。

こちらの記事も併せてチェック ： 不動産売却の流れを７ステップで簡単に紹介！

不動産の売買でお困りの方は、売買の窓口までお気軽にご相談ください。