売却
売却の流れ
住宅ローンが残っているのに離婚!家もローンも手放して自由になるには?
離婚時に住宅ローンが残っている場合、どうすれば良いのでしょうか。離婚後の持ち家の扱いに悩む夫婦は多く、特に、住宅ローンの残債がある場合はどのような方法を取るべきか気になる方は多いでしょう。夫婦のどちらも家に住まない場合は、売却するのが一般的です。その場合は、不動産の名義人はどちらになっているか、ローンの残債はどのくらいあるのかなど確認すべきことが沢山あります。
本記事では、離婚後の不動産売却に関連するポイントを詳しく解説します。
離婚時に住宅ローンが残っている場合の確認事項
離婚時に住宅ローンが残っている家を売却するには、どうすればよいのでしょうか。住宅ローンが残っている家を売却する際には、住宅ローンを完済して抵当権を抹消する必要があります。そのため、住宅ローンの返済中に家を売却するには、残債がいくらなのか、売却益や自己資金で完済は可能なのかを確認する必要があります。
不動産の名義人と残債
家を売却できるのは不動産の名義人のみです。よって、売却を考えている場合、住宅ローンが残っている家の名義人を確認しましょう。住宅ローンの借入れをすると、金融機関が不動産を担保にするために抵当権を設定します。 そのため、住宅ローンの名義人は登記簿謄本で確認することも可能です。
住宅ローンの残債額は残高証明書や返済予定表でも確認ができますが、直接、金融機関に問合せをして確認することもできます。
財産分与の取り決め
財産分与とは、結婚してから夫婦が協力して築いた財産を、離婚時に公平に分け合う制度です。 一方が住宅を引き続き所有する場合や売却する場合、それに伴う負担をどうするかを決める必要があります。財産分与の対象には、不動産、お金、債権、有価証券なども含まれます。夫婦間の話し合いでは納得できる財産分与ができない場合には、調停や審判を申し立てて解決する方法を考えましょう。
「連帯債務者」と「連帯保証人」
住宅ローンの残債がある場合には、支払い義務は住宅ローンの債務者(名義人)にあります。しかし、一方が住宅ローンの「連帯保証人」と「連帯債務者」とで、住宅ローンの支払い義務の対象者が異なります。それぞれについて見ていきましょう。
連帯債務者
連帯債務とは、1つの借り入れを複数の者それぞれが全額の債務を負うことをいいます。ペアローンは夫婦それぞれで契約するため、住宅ローンの契約は2本になりますが、連帯債務型は契約はあくまでも1本のみです。
夫婦で連帯債務型の住宅ローンを契約していた場合は、お互いに同等の返済義務を負うこととなり、離婚しても支払い義務が残ってしまいます。
連帯保証人
夫婦のうち一方が債務者、もう一方が連帯保証人となる「連帯保証型」でローン契約を結んだ場合、債務者だけでなく、連帯保証人も住宅ローンの残債を保証することになります。住宅ローンの連帯保証人とは、住宅ローン契約者(主債務者)が、契約どおりに返済できなくなった場合に代わりに返済を行う義務を負う人のことをいいます。
離婚後も債務者が住宅ローンを滞ることなく返済している場合は問題ありませんが、連帯保証人は債務者が病気やケガで働けなくなり収入が無くなったなど何らかの理由で返済ができなくなった時に、責任をもって返済しなければなりません。
離婚したからといって、連帯保証人を外れることはできませんので注意しましょう。
離婚後の住宅の価値の査定
住宅の売却を考えた時に、まず最初に知りたいことは、所有している不動産の価値です。そこで必要となるのが「訪問査定」です。訪問査定とは、実際に現地調査を行い土地や建物をチェックして価格を決定する査定方法のことを言います。 実際に不動産を見て査定価格を算出するため、データだけでは分からない日当たりやシロアリ被害をはじめとした個別事情をチェックして査定を行うため、より相場価格に近い査定結果を知ることができます。
訪問査定により、住宅を査定する際には、以下の要因が考慮されます。
1. 住宅の状態
住宅の外観や内部の状態が査定に大きな影響を与えます。修繕が必要な箇所や住宅設備が十分であるかなどが評価されます。
2. 土地の価値
住宅が建っている土地の価値も重要です。土地の広さ、立地、景観などが査定に影響します。
3. 住宅の特徴
住宅の大きさ、部屋の数、間取り、設備、付属品(ガレージや庭、プールなど)が査定に影響します。また、カスタム設計や高級仕様などの特徴が評価される場合もあります。
4. 住宅の市場価格
類似の物件や同じ地域での販売価格が査定の参考とされます。地域での不動産市場の状況、需要と供給のバランス、類似物件の取引履歴などが考慮されます。
5. 不動産市場の動向
不動産市場の全体的な傾向の査定に大きく影響を与えます。市場が上昇傾向にある場合は住宅の価値も上昇しやすいですが、逆に市場が低迷している場合は住宅の価値は下がりやすくなります。
6. 追加の評価要因
住宅の築年数、エネルギー効率、近隣の学校や交通機関へのアクセス、犯罪率、税金なども査定に影響を与える可能性があります。
売却の流れと注意点
売却の基本的な流れ
1. 不動産会社に売却を相談
不動産会社に連絡をして、不動産を売却したいという旨の売却の相談をします。不動産売却では、会社の雰囲気や担当者の人柄を把握することも大切ですので、基本的には対面で話すことをお勧めします。 不動産査定時には、以下のような書類が求められますので事前に準備しましょう。
・所有不動産の物件概要書
・登記事項証明書(登記簿謄本)
・間取り図および敷地測量図
2. 家の価値の査定
不動産会社へ相談すると同時に、不動産会社へ訪問査定を依頼します。訪問査定では、不動産会社の担当者が物件を訪れ、内外装や設備の状態、周辺環境などを直接確認します。物件の状態や周辺環境などを直接確認できるため、より適切な査定価格を算出することが可能です。査定価格(査定額)が分かると、適切な売り出し価格を設定したり、資金計画を立てたりする際に役立ちます。
3. 媒介契約の締結
売却の希望条件が決まりましたら、媒介契約を締結します。媒介契約とは、不動産の売買を依頼する不動産会社との間で取り決める約束事のことです。 媒介契約を結ぶことで、依頼者と不動産会社の間の依頼関係を明確にし、仲介業務に関するトラブルを未然に防ぎます。
4. 住宅ローンの完済
住宅ローンが残っている家を売却するためには一定の条件を満たす必要があります。その条件とは、以下の2つです。
・住宅ローンを完済すること
・不動産に設定されている抵当権の登記を抹消すること
この条件を満たすことで、住宅ローン返済中の家の売却が可能となります。抵当権とは、金融機関が住宅ローンを貸し付ける際に、返済が行われなかった場合に備えて不動産を担保にする権利のことです。一般的には抵当権が付いたままだと家を売却することができないため、売却と同時に抵当権を抹消する必要があります。
注意点
住宅ローンが残っている場合、売却価格がローン残債を下回るオーバーローンのリスクが考えられます。そのため、事前の計画と専門家との相談が必要です。
まとめ
離婚後の不動産売却は、多くのポイントや注意点があります。しかし、適切な手続きや専門家との相談を行うことで、スムーズな売却が可能となります。しっかりとした情報収集と準備を行い、新しい生活を迎えるためのサポートを受けましょう。
こちらの記事も併せてチェック:不動産売却、有利に進めるためのコツとは?査定方法をしっかり解説!
不動産の売買でお困りの方は、売買の窓口までお気軽にご相談ください。
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