売却
税金、経費
売却成功の秘訣はここにあり!不動産を売却したときにかかる税金と計算方法を解説!
不動産を売却すると「譲渡所得税」がかかるのをご存じでしょうか。売却によって得た利益は所得とみなされます。そのため、不動産を売却した翌年に、確定申告と納税が必要になります。
「せっかく不動産を売却したのに、税金を取られるの?」と不安になりますよね。
実は、不動産売却で得た売買代金すべてに税金が課せられるわけではありません。この記事では、不動産売却で発生する譲渡所得税の仕組みや計算方法などをご紹介します。
不動産の譲渡所得税とは?
不動産売却で得た売買代金は「譲渡所得(=譲渡によって得た利益)」とみなされ、「譲渡所得税」を納める必要があります。一般に所得税は、収入に必要な経費や控除を差し引いた金額から算出されますが、不動産の譲渡所得税も同様に、売買代金から必要な経費を差し引いて計算することができます。
不動産の譲渡所得は分離課税となっており、給与所得や事業所得などの総合課税とは基本的に別枠で考えます。年末調整では控除できない税金になりますので、翌年に確定申告と納税を行わなければいけません。
譲渡所得税を計算するには
税金の計算は複雑なため、税理士の独占業務となります。
ここでは一般的な内容について解説します。
譲渡所得税= {(A)譲渡所得 - (B)特別控除} × (C)税率
(A)譲渡所得= (1)売買価格 - {(2)取得費 - (3)減価償却費} - (4)譲渡費用
(1)売買価格
「不動産をいくらで売却したか」の金額です。売買契約書の成約価格だと考えればよいでしょう。
なお、買主から受け取った領収書は、きちんと保管しておきましょう。
(2)取得費
取得費とは、不動産を購入したときにかかった費用です。不動産の購入代金のほか、不動産会社に支払った仲介手数料、建設費用、設備費用などが該当します。相続で取得した不動産など取得費が不明な場合は、売却価格の5%を取得費とみなすことができます。
なお、不動産を購入した時の契約書や領収書類は、取得費の証明になります。証明ができない場合、余分に譲渡所得税がかかってしまうかもしれません。
不動産を購入した時は、売却するまで、書類一式を残しておくのが無難です。
(3)減価償却費
不動産が建物付きの場合は、取得費用から「減価償却費」をさらに差し引きます。減価償却費とは、建物を持っている時間の分だけ、当然に不動産の価値が落ちる分の計算です。
例えば、新築の建物と、築後30年経った建物では、あきらかに30年経っているほうが古くなっています。この古くなった分を、取得する時にかかった費用から差し引いて考えよう、ということです。
減価償却費の計算は、木造か鉄骨か、居住用かそうでないかにより計算が異なります。
一般的な木造住宅の場合は、耐用年数は22年とされています。
(4)譲渡費用
譲渡費用は、不動産を売却する時にかかった仲介手数料や、土地の測量費用、建物の解体費用などが該当します。こちらも、領収書は、きちんと保管しておきましょう。
ここまでで (A)不動産の譲渡所得 の計算が出来ました。
(B)特別控除
特別控除は、条件を満たすことで受けられる税金控除です。公共事業などを目的とした土地建物の譲渡で5,000万円、マイホームの譲渡で3,000万円、特定土地区画整理事業などによる土地の売却で2,000万円など、いろいろな種類が設けられています。
例えば、マイホームとして居住していた不動産であれば、例え譲渡所得がある場合でも、3000万円までは控除できるため、税金がかからなくなります。
仮に3000万円の利益があるならば、マイホーム特別控除を利用するかしないかで、約600万円も手残り額が変わる事になります。
使わなければ損ですので、査定の段階から使える控除がないかどうか、自分自身でも調べておきましょう。
参考)国税庁「譲渡所得(土地や建物を譲渡したとき)」
参考)国税庁「マイホームを売った時の特例」
(C)税率
税率は、基本的に売却した不動産の所有年数によって異なります。期間は購入月にかかわらず、売却した年の1月1日が基準になります。つまり、2017年5月に購入し、2022年10月に売却した場合でも5年未満、2023年1月以降に売却した場合は5年以上になります。
5年未満の場合(短期譲渡所得)
所得税+復興特別所得税30.63% + 住民税9%
5年以上の場合(長期譲渡所得)
所得税率+復興特別所得税15.315% + 住民税5%
※マイホームの場合は、上記以外の優遇もあります。
※2037年までは別途復興特別所得税(所得税額の2.1%相当)が加わります。
わかりにくいですが、所有期間が5年未満の場合は約4割、5年以上の場合は約2割と覚えておくと良いでしょう。
まとめ
不動産を売却するときは、つい売出価格や成約価格に気を取られがちですが、査定の段階から譲渡所得税を視野に入れ「本当の手残りはいくらになるのか」を考えておくと良いでしょう。
特に、マイホームの場合は、控除を最大限活用することが、不動産売却の明暗を分けると言っても過言ではありません。
自身で購入した不動産だけでなく、実家(旧耐震基準の建物)を相続した場合は、自身が住んでいなくても、
・3年後の年末までに、解体または耐震補強工事をして売却することで3000万円のマイホーム特別控除が適用される
・相続時に支払った相続税があれば控除される
など、特例があります。
大きな節税につながるため、売却する不動産が控除の条件を満たしているか調べてから売却プランを練ることをおすすめします。税制優遇には期限が設けられていることが多いため、損をしないためにも、信頼できる不動産会社に、早めに相談しましょう。
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