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老後の安心資金調達!リースバックとリバースモーゲージの違いを徹底比較
老後の安心した生活を送るためには、適切な資金計画が欠かせません。
しかし、退職後の収入減少に伴い、多くの人が資金繰りに悩むことも少なくありません。
そこで注目されているのが、不動産を活用した資金調達方法の「リースバック」と「リバースモーゲージ」です。
これらはどちらも、資産である自宅を活用しながら、生活資金を確保する方法ですが、その仕組みやメリット、デメリットは異なります。
この記事では、リースバックとリバースモーゲージの基本から具体的な違いを解説し、どちらが自分の状況に適しているかを考える手助けをします。
ぜひ参考にしてください。
リースバックとリバースモーゲージって何?
リースバックとは
リースバックは、不動産(通常は土地や建物)を売却し、その後賃貸借契約を結び、同じ物件に住み続ける取引形態です。
この方式は「セール・リースバック取引」や「セール・アンド・リースバック取引」とも呼ばれます。
日本ではバブル崩壊後の金融不安の時期に、主に法人向けのサービスとして普及しました。
近年では、この取引が一般住宅にも拡大し、個人の住まいを対象としたリースバックサービスが広まっています。
このサービスは主に不動産会社が提供し、利用者は自宅などの不動産を不動産会社に売却し、その後同じ会社と賃貸借契約を結ぶことが一般的です。
つまり、リースバックを利用することで、自宅を売却して資金を得ながら、賃料を支払うことで同じ家に住み続けることが可能です。
リースバックは、売却と賃貸を組み合わせることにより、シンプルながらも革新的な不動産の活用方法として注目されています。
特に個人のお客様を対象にサービスを展開する企業が増えたことで、リースバックの知名度も向上し、多くの人に利用されるようになりました。
リバースモーゲージとは
リバースモーゲージは、自宅を担保にして銀行やその他の金融機関から借入れを行う制度です。
この取引では、契約者の自宅が担保とされ、契約者が亡くなった際にその自宅を売却して借入金を返済します。
リバースモーゲージにより、契約者は自宅に住み続けながら資金を調達することができますが、この点がリースバックと似ています。
しかし、リバースモーゲージは借金の形を取るため、経済的な負担を背負う点で大きく異なります。
リバースモーゲージの融資上限額は自宅の資産価値に基づいて設定され、契約者が存命中は原則として返済の必要はありませんが、利息の支払いが毎月発生するのが一般的です。
リバースモーゲージ制度は1980年代からあり、高齢化社会の進展や年金制度の問題を背景に、高齢者の生活資金確保手段として期待されています。
自治体や金融機関が提供するこのサービスは、制約が多いこともあり、利用前には自身に適合するかどうかをよく調査する必要があるとされています。
老後の資金計画として注目される理由
老後の資金計画としてリースバックやリバースモーゲージが注目される理由には、以下の点が挙げられます。
退職後の収入減少への対策
老後に入ると、多くの人が定年退職により収入が減少します。
リースバックやリバースモーゲージは、持ち家を活用して必要な現金を確保し、生活資金として使うことができるため、収入減少の影響を軽減します。
高齢期の生活維持
高齢になると医療費の増加や介護が必要になるケースも多く、これらの費用を賄うために追加の資金が必要になります。
自宅を担保にして資金を調達することで、医療費や介護費に対応することが可能です。
資産の有効活用
多くの高齢者にとって、自宅は最大の資産です。
リースバックやリバースモーゲージを利用することで、この資産を生かしつつ、住み慣れた環境で生活を続けることができます。
リースバックとリバースモーゲージの具体的な違い
不動産の取引か、融資かの違い
リースバックは不動産取引の一形態で、所有者が自分の不動産(通常は自宅)を売却し、その後賃貸契約を結び、同じ物件に住み続けるという方法です。
この取引によって、元の所有者は不動産を売却することで一時的に大きな現金を手に入れることができますが、所有権は不動産会社などの買い手に移ります。
そのため、基本的には売却と賃貸が組み合わさっており、売却先の不動産会社が新たな所有者となります。
一方、リバースモーゲージは融資の形態であり、自宅を担保にして銀行や金融機関からお金を借りる仕組みです。
ここで重要な点は、所有権が売却されるわけではなく、借り手が生きている間は自宅に住み続けることができるということです。
借入金は利用者が亡くなった後、不動産の売却や他の資金源によって返済されます。
この方法では、所有者は引き続き自宅の名義人であり続け、担保としてのみ自宅を利用します。
所有権(名義)
リースバックの場合、自宅の所有者は物件を不動産会社などの第三者に売却します。
その結果、売却後の所有権(名義)は購入者に移ります。
元の所有者はその後、自宅を賃貸として借りる形になり、名義人ではなくなるため、所有権を失います。
リバースモーゲージでは、自宅を担保に金融機関から借入を行いますが、物件の所有権(名義)は借り手が保持し続けます。
この場合、借り手は自宅の所有者としての地位を維持しながら、資金を得ることができます。
金融機関は担保としての権利を持つのみで、所有権そのものは契約者が亡くなるまで移転されません。
資金の受け取り方に違いがある
リースバックでは、不動産を売却する際に一度に全額を受け取ります。
これにより、大きな現金をすぐに手に入れることができるため、大規模な支出に備えることが可能です。
リバースモーゲージは、自宅を担保に設定し、その価値を基に定められた融資枠内で、年金のように段階的に資金を借り入れる仕組みです。
契約者が亡くなった後は、設定された担保である自宅が売却され、その収益でローンの残債が清算されます。
金融機関は将来的に不動産を売却することを見込んでおり、不動産市場の変動を考慮して融資枠を設定します。
そのため、設定される融資枠は一般的には保守的な評価がなされる傾向にあります。
リースバックとリバースモーゲージどちらの方法が最適?
リースバックとリバースモーゲージはどちらも高齢者や資金が必要な人々に住宅を活用して資金を得る方法ですが、それぞれの状況により最適な選択が異なります。
ここでは、いくつかの具体的な例を挙げてどちらの方法が最適かを考えてみましょう。
例1: 高齢者で資金が必要、しかし現在の住まいに長く住み続けたい場合
リバースモーゲージは、住宅を担保にした上でローンを組むため、自宅に住み続けながら資金を調達できます。
元本の返済が生前には不要で、利息の支払いだけで済みます。
例2: 資金が急に必要で、物件の種類に制約がない場合
リースバックは住宅だけでなく、事務所や工場など幅広い不動産で利用可能です。
また、売却してすぐに資金を得られるため、急な資金需要に応えることができます。
例3: 多額の資金が必要で、不動産の種類が複数ある場合
リースバックでは、一軒家、マンションの区分、商業施設、事務所ビルなど、多種多様な不動産を売却して資金を調達できます。
また、売却後もその場で賃借することで利用を続けることができます。
例4: 長期的に安定した収入があるが、現金が少ない高齢者
安定した収入がある場合、リバースモーゲージで低い負担で資金を得られ、元本の返済の心配なく生活の質を保つことができます。
どちらの方法もそれぞれの状況やニーズにより最適な選択が異なるため、個人の状況をよく考慮して選択することが重要です。
【まとめ】自身の状況に合った選択をしよう
老後の生活資金を確保するために、自宅などの不動産を活用する「リースバック」と「リバースモーゲージ」という選択肢があります。
これらの方法は、退職後の収入減少や高齢期の医療・介護費用に対応するための資金を提供し、住み慣れた環境での生活を支援します。
リースバックは不動産を売却し、その後賃貸で居住を続けることが可能です。
一方、リバースモーゲージは自宅を担保にして金融機関から資金を借り入れる方法で、所有権は保持したまま資金を得ることができます。
どちらの手段もメリットとデメリットがあり、選択は個々の状況やニーズに応じて慎重に行いましょう。
売買の窓口では、リースバックをご案内することが可能です。
不動産の売買でお困りの方は、お気軽にご相談ください。
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