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新築物件と中古物件のメリット・デメリットを徹底比較|後悔しないマイホーム購入
日本において新築住宅への好みは強いものの、近年は中古住宅の購入者も増加傾向にあります。
ここでは、新築物件と中古物件のメリット・デメリットを詳しく解説いたします。
日本の住宅市場の動向
新設住宅着工戸数は、人口・世帯数の減少や住宅余りの状況を理由に、長期的に減少傾向にあります。
2030年度には、2022年度比13.5%減の744,600戸まで減少すると予測されています。
新築市場は縮小の一方、中古住宅市場は、新築住宅市場よりも活発です。
既築住宅数は増加しており、経年劣化に伴う修繕需要や住空間の充実を図るリフォーム需要も底堅く推移しています。
参考:https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/3250
https://www.nri.com/jp/news/newsrelease/lst/2023/cc/0622_1
新築住宅のメリット
・最新設備を備えている
新築住宅が多くの人に選ばれる理由の一つは、最新の設備と機能を備えている点にあります。
これには、家電や住宅設備の最新技術が含まれ、快適な生活を実現します。
例えば、エネルギー効率の高い給湯器、最新の断熱材を使用した窓、スマートホームシステムによる遠隔操作可能な照明やエアコンなどが挙げられます。
これらの設備は、生活の質を向上させるだけでなく、長期的に見て光熱費の節約にも繋がります。
・税制の優遇措置を受けやすい
新築住宅を購入する際の大きな魅力の一つが、様々な税制の優遇措置を受けることができる点です。
これらの優遇措置は、購入者の負担を軽減し、より手頃な価格でマイホームを手に入れる機会を提供します。
まず、住宅ローン控除は新築住宅購入者が最も利用できる税制優遇の一つです。
これは、住宅ローンを利用して新築住宅を購入した場合、一定期間にわたり所得税から年間のローン返済額の一部を控除できる制度です。
この控除により、年間の税負担が軽減され、実質的にローン返済の負担を少なくすることができます。
また、固定資産税の軽減措置も新築住宅購入者にとって大きなメリットです。
新築住宅に対しては、一定期間固定資産税が減額される場合があります。
これにより、新築住宅の維持コストを大きく削減することが可能になります。
・維持費用が安い
新しい設備や構造は、頻繁な修理や交換の必要性を減らし、長期にわたるメンテナンスコストを削減します。
また、最新の建築技術による高気密性と高断熱性は、冷暖房効率を大幅に向上させ、エネルギー消費を低減します。
住宅購入を検討する際には、購入時の費用だけでなく、こうしたランニングコストまで考慮しておくことも大切です。
・最新の安全基準、耐震基準
新築住宅が建築される際に、現行の厳しい建築基準法に基づき設計・施工されています。
日本は地震が頻繁に起こる国であるため、新築住宅には最新の耐震技術が採用されており、大地震が発生しても倒壊や大きな損傷を防ぐための工夫が施されています。
また、安全基準においては、耐震だけでなく、耐火性能や換気システムなど、住宅内の安全と健康を守るための基準も設けられています。
これにより、新築住宅では、有害物質の排除、室内の空気質の向上、火災時の安全性確保など、居住者の生命と健康を守るための配慮がなされています。
さらに、新築住宅は、将来的な自然災害や事故に対しても備えがあり、安心して長期間住み続けることができるように設計されています。
これらの最新の安全基準や耐震基準を満たしていることは、新築住宅が多くの人々に選ばれる理由の一つとなっています。
新築住宅のデメリット
・価格が高い
新築住宅は、最新の設備や快適な住空間など、多くの魅力にあふれています。
しかし、中古住宅と比べて価格が高いという大きなデメリットも存在します。
その価格差を生み出す要因の一つが、「新築プレミアム」と呼ばれるものです。
新築プレミアムとは、新築物件のみに発生する特有の価値のことを指し、新築というだけで10~20%程度価格が上乗せされる現象です。
例えば、3,000万円で購入したマンションが入居後に2,600万円の価値まで落ちた場合、400万円が新築プレミアムということになります。
・入居後に起こりうる問題を事前に把握することができない
新築住宅は、誰も住んだことのない物件という魅力がある一方で、入居後に起こり得るリスクを事前に知ることができないというデメリットがあります。
中古住宅であれば、騒音の度合いや修繕計画など、過去の住人の経験に基づいた情報収集が可能です。
しかし、新築の場合はそのような情報が存在せず、実際に住んでみないことには予測できないリスクが潜んでいます。
・希望のエリアであるとは限らない
駅近などの人気エリアは、利便性や環境の良さから多くの人が住みたいと願う場所です。
しかし、新築住宅となると、希望に合致する物件を見つけるのは容易ではありません。
中古住宅のメリット
・新築よりも価格が安い
新築住宅の価格には、土地の価値に加えて建築にかかる費用、そしてデベロッパーや建築会社の利益などが含まれています。
これに対して、中古住宅の価格は市場の需要と供給、物件の状態や立地、年数によって左右されますが、一般的に新築時の価格から減価償却され、より手頃な価格で取引される傾向にあります。
価格が安いということは、同じ予算であれば、新築住宅よりも広い敷地や建物、もしくはより良い立地の物件を選ぶことが可能になります。
また、低い購入価格は、住宅ローンの返済額を減らし、家計にかかる負担を軽減します。
これにより、リフォームや家具の購入、将来のメンテナンス費用など、他の生活費に余裕を持たせることができます。
中古住宅の価格が新築に比べて安いことは、特に初めての家を購入する人や、限られた予算内で理想の住まいを探している人にとって、非常に魅力的な選択肢です。
・お気に入りの町やエリアに住める
新築住宅を建てる際に直面する一つの課題は、理想的な立地に空き地が限られていることです。
特に人気のある地域や駅に近い便利な場所では、望むような土地を見つけるのが難しいのが一般的です。
土地付き中古住宅を買って建て替える手もありますが、その場合は追加の費用が発生します。
これが新築住宅の場合、立地に関する希望を満たすのが難しいという現実です。
対照的に、中古住宅の場合は、既に人気のある地区や条件の良いエリアに存在しています。
これは、理想とする地域での生活を実現する可能性が高まることを意味します。
・生活をイメージしやすい
新築住宅の場合、完成したばかりの空間には、まだ誰も生活の痕跡がなく、自分たちの生活がその空間にどのようにフィットするのかを具体的にイメージすることが難しい場合があります。
しかし、中古住宅では、既に家具の配置や日用品の収納スペース、室内の光の入り方など、生活が始まった際の様子を直接見ることができます。
これにより、自分や家族がその空間でどのように過ごすのか、日々の生活がどのように展開するのかを容易に想像することが可能になります。
また、既存の設備や改修された部分を見ることで、どのようなリフォームが必要か、またはどのようなリフォームが可能かについても、現実的な判断材料を得ることができます。
このように「生活をイメージしやすい」という中古住宅のメリットは、購入後の生活に対する不安を軽減します。
・「掘り出し物件」に出会える可能性がある
中古物件の中には、意匠や建材にこだわっている家があります。
一見すると年季が入っているようでも、少々手を加えるだけで魅力的に輝き出すような、磨けば光る掘り出し物件に出会える可能性もあります。
中古住宅のデメリット
・設備が古い
中古住宅の給湯器、冷暖房システム、キッチンの設備、衛生設備などが古くなっていることがあり、これらの設備は現代の技術基準や効率性に比べて劣っている場合が多いです。
古い設備には、エネルギー効率が悪い、故障しやすい、使い勝手が現代のライフスタイルに合っていないといった問題があります。
これらの設備を使い続けることで、光熱費が無駄に高くなる可能性があり、また、故障や不具合が発生した際には修理や交換にかかる費用が発生します。
さらに、現代の住宅で求められる快適さや機能性を満たすためには、これらの古い設備を最新のものに更新する必要があり、そのための追加投資が必要になることもあります。
・維持費用が新築より高い
中古住宅を選択する際に考慮すべき点の一つが、「維持費用が新築住宅に比べて高くなりがちである」ということです。
この維持費用の増加は、主に中古住宅の設備や構造が既に一定の年数を経過していることに起因します。
例えば、給湯器、冷暖房システム、屋根や外壁などの主要な設備や構造部分が老朽化している場合、これらを修繕したり最新のものに交換したりする必要が生じます。
古い設備はエネルギー効率が悪いことも多く、これもまた光熱費の上昇につながります。
中古住宅の選択は、初期投資額が少ないという利点を享受する一方で、長期的にはより多くのメンテナンスや修繕が必要になる可能性があるという点を理解しておく必要があります。
・住宅ローン控除を受けられない場合がある
中古住宅は、新築住宅に比べて価格が安いというメリットがある一方で、住宅ローン控除を受けるためには、いくつかの条件を満たす必要があります。
これらの条件は、新築住宅よりも厳格であり、ハードルが高いと言えます。
【主な条件 】
築年数: 鉄筋コンクリート造の場合は築25年以内、木造の場合は築20年以内でなければなりません。
耐震基準: 1981年6月1日以前に建築された木造住宅の場合は、耐震基準適合証明書の取得が必要です。
住宅性能評価書: 耐震等級1以上を示す住宅性能評価書の取得が必要です。
保険加入: 地震保険または火災保険への加入が必要です。
【条件を満たせない場合 】
上記条件を満たせない場合は、住宅ローン控除を受けることができません。
築年数が古い中古住宅を購入する場合、特に注意が必要です。
【参考】
国税庁 住宅ローン控除:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1212.htm
注目を集める中古住宅のリノベーション
中古住宅のリノベーションは、現代の住宅市場において重要な位置を占めています。
リノベーションを通じて、中古住宅は持続可能性、機能性、そして美学の面で新たな価値を得ることができます。
中古住宅のリノベーションが注目される理由は多岐にわたりますが、主な魅力としては、コストパフォーマンスの良さ、環境への配慮、そして自分だけのオーダーメイド空間を実現できる点が挙げられます。
新築住宅に比べて初期投資を抑えつつ、古い家に新しい命を吹き込むことで、エコフレンドリーな住まいを実現することが可能になります。
また、リノベーションによって、既存の建物の持つ歴史や魅力を生かしつつ、最新の住宅技術を取り入れることで、快適性や機能性を大幅に向上させることができます。
具体的には、内装の全面改装から、間取りの変更、耐震補強、省エネ設備の導入まで、ニーズに応じた幅広い改修が可能です。
これにより、使い勝手が悪かった空間を効率的なものへと変えたり、家族構成の変化に合わせて住空間を再構築したりすることができます。
さらに、個性的なデザインや素材を取り入れることで、世界に一つだけのオリジナルな住まいを創出することも魅力の一つです。
リノベーションは、中古住宅に新たな価値をもたらし、持続可能な住まいづくりに寄与します。
住宅市場において、中古住宅のリノベーションが注目される背景には、経済的、環境的、そして文化的な価値が再評価されている現象があります。
迷ったときは、不動産の専門家に相談を
住宅購入は多くの人にとって一生に一度の大きな決断であり、新築住宅か中古住宅かを選ぶ際にも、それぞれのメリットとデメリットを熟考する必要があります。
このような状況で、不動産の専門家に相談することは非常に有益です。
不動産の専門家は、市場の動向、地域の特性、法律や税制の知識など、住宅購入に関わる幅広い分野に精通しており、購入者のニーズや予算に最適な住宅選びのサポートを行います。
不動産の売買でお困りの方は、売買の窓口までお気軽にご相談ください。
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