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地震や台風で被災した家は売却できる?【必要な手続きと売却方法】

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売却の流れ

2024.02.06

地震や台風で被災した家は売却できる?【必要な手続きと売却方法】

2024.02.06

地震や台風で被災した家は売却できる?【必要な手続きと売却方法】売買の窓口】

日本では地震や台風などの自然災害が相次いでいます。 

被害を抑えるための備えも重要ですが、万一被害を受けてしまった場合の対応方法も知っておきましょう。

自然災害で家が被災した場合、 その不動産は売却できるのでしょうか。 

今回は、自然災害が多いからこそ知っておきたい、被災した時に利用できる公的支援や、被害を受けた家を売却する方法をご紹介します。


家が被災したら罹災証明を申請する

罹災証明書は、台風、地震、大雨などの自然災害や火災によって住宅が被災した際に必要な公的な書類です。

この証明書は被災した事実を証明し、住宅の修理や再建を行うために火災保険など各種公的支援を受ける際の根拠となります。

災害基本法の第90条の2項に基づき、被災者が市区町村に申請することで、自治体は被害の状況を調査し、罹災証明書を発行する義務があります。

自然災害の場合は自治体の担当部署に、火災の場合は所轄の消防署に申請します。

申請期限は被災から2週間から1ヶ月程度と短いため、迅速な申請が求められます。


罹災証明書によって受けられる支援

災害救助法に基づく住宅の応急修理への支援

災害救助法は、災害により住宅が半壊し、自力での修理が難しい世帯を支援するために設けられた制度です。

この法律のもと、市町村は被災住宅の居室や台所、トイレなど日常生活に不可欠な部分の応急修理を最小限度で行います。

重要な点は、修理費用は役所が直接修理事業者に支払い、被災者に給付金が直接支給されることはありません。

各世帯の修理限度額は最大57.4万円までとされています。 

この支援は、災害救助法が適用される市町村内で住宅が半壊または半焼した世帯が対象です。

また、応急仮設住宅に入居していないこと、自ら修理する資力がないことなど、特定の要件を満たす必要があります。


被災者生活再建支援制度による支援

被災者生活再建支援制度は、自然災害によって大きな被害を受けた世帯の生活再建を支援するための制度です。

この制度により、住宅が全壊や大規模半壊などの重大な被害を受けた世帯に対して、被災者生活再建支援金が支給されます。 

基礎支援金として、全壊した世帯には100万円、大規模半壊した世帯には50万円が支給されます。 

さらに、住宅を建設・購入する場合は200万円、補修する場合は100万円、賃貸住宅に移る場合は50万円が加算されます。 

単身世帯の場合、これらの支援金額は3/4に減額されます。


住宅金融支援機構による災害復興住宅融資

住宅金融支援機構の災害復興住宅融資は、自然災害によって損傷したり滅失したりした住宅の復興を低金利で支援する制度です。

この制度を利用するためには、罹災証明が必要です。

住宅の建て直しや修理を行う際、この融資を利用することができますが、重要なポイントは工事を始める前に金融機関に申請をする必要があるということです。

着工後の申請は受け付けられません。

融資の限度額や返済期間は、住宅の再建方法によって異なります。

例えば、新しい住宅を建設する場合の基本融資額は最大1,650万円までとされています。

災害復興に向けた資金援助を受けるためには、着工する前に必ず金融機関と相談し、適切な手続きを行うことが重要です。


損害保険による補償

さまざまな自然災害に対して、適切な保険に加入していると、万が一の被災時に補償を受けることが可能です。

火災、台風、暴風雨、土砂災害、洪水、突風・竜巻、大雪、地震や津波、火山噴火など、多岐にわたる災害に備えるためには、保険の種類と補償内容をよく理解することが重要です。

一般的な火災保険では火災による損害は補償されますが、水害や地震に関しては補償範囲が異なることがあります。

特に地震に関しては、多くの火災保険ではオプション(付帯保険)として扱われており、これに加入すると保険料が高くなるため、加入を見送る人も少なくありません。

しかし、完全な災害対策を行うためには、火災保険の補償内容を細かく確認するとともに、地震保険への加入も検討することが重要です。


税の減免

住宅が自然災害で被害を受けた場合、いくつかの税金上の控除や軽減措置を受けることができます。 


・所得税の雑損控除

住宅、家財、車両などの生活必需品に関する損失額や、災害に関連する支出(例えば敷地内の土砂搬出費用など)が控除対象になります。

ただし、保険金で補填された金額は損失額から差し引かれます。 


・地方自治体の税金控除

国民健康保険料、固定資産税、自動車税などが減免されることがあります。

特に、被害額が価格の約2分の1以上の場合、国民年金保険料の免除も適用されることがあります。 


・税金の申告・納付の延長や猶予

被災により税金の申告や納付が困難な場合、期限の延長や納税の猶予を受けられることがあります。 


・その他の税金軽減措置

予定納税の減額、源泉徴収の徴収猶予、所得税の一部または全部の軽減など、さまざまな税金の軽減措置が受けられる可能性があります。


被災した家は売却できる?

地震や台風などの被害にあった家でも売却することは出来ます。

被災した家を売却する方法はとして以下の3つが挙げられます。 


・家を修理してから売却

被災で受けた家のダメージ、受けられる支援や補償の内容によって家を修理すべきかどうかは異なるため、不動産会社に相談しましょう。


・解体して更地にしてから売却

建物が全壊または全壊に近い状況で修理が困難な場合、修理代金が高額になるケースでは、更地にしてから売却した方が手残りを増やせる可能性があります。


・不動産会社に買い取りを依頼する

修理してから売却、更地にしてから売却する場合は、不動産会社が購入希望者を探す必要があります。

そのため、すぐに売却できるとは限りません。

一方、不動産会社に買い取りを依頼する場合は、双方が契約条件に合意すればすぐに売却できますので、早さを重視したい人におすすめです。


被災した住宅の売却に際して、特に地震などによる地盤の問題や土壌汚染がある場合、外観からは判断しづらく、正確な情報を開示せずに売却することは潜在的なリスクを伴います。

不動産の状態について不十分な説明で売却すると、契約後に損害賠償を求められる可能性がありますので注意が必要です。


被災した家をスムーズに売却するためのポイント

地震や台風で被災した場合、その直後に売却することは、難易度が高くなります。

ある程度、復旧が進み落ち着きを取り戻した頃に売却をすることが望ましいでしょう。

被災した家を売却するにはどのような点に注意をすれば良いのか解説していきます。


放置は厳禁

人が住まなくなった家は急速に劣化していきます。

将来の売却を考慮するなら、台風などで被災した家をそのままにしておくべきではありません。

特に床上浸水のような被害を受けた場合、構造材が湿った状態で放置されると、木材が腐りやすくなります。

湿気が多い環境は、カビの発生やシロアリの繁殖を促す要因となり、断熱材の性能も大きく低下します。

そのため、家の内部の水分を適切に乾燥させるために、必要に応じて内装材を取り除くなどの措置が必要です。


支援制度を活用する

被災者に対する支援や補償は、実際に災害の影響を受けた人たちに限定されています。

これらの支援や補償を活用することで、被災住宅を居住可能な状態に復旧させることができ、結果として売却時の条件を改善することが期待できます。

しかし、これらの支援や補償を受けるためには、災害に遭遇したことを証明する罹災証明書が必要です。

申請者が多い場合、この証明書の発行には時間がかかることがあるため、早めに申請し、手続きを進めることが重要です。


インスペクションを実施する

インスペクションは、専門家による住宅の性能や状態の詳細な調査です。

インスペクションは特に被災住宅の売却時に重要で、住宅に隠れた不具合を事前に特定し、将来的な売却トラブルを防ぐために行われます。

売却した家に問題があった場合、売主は契約不適合責任を負うことになりますが、インスペクションを実施することで、家の状態を明確にし、買主の権利を保護します。

さらに、発見された不具合を修理することで、瑕疵担保責任保険に加入しやすくなり、後のリスクを軽減できます。

被災住宅の場合、特にインスペクションは売却後のトラブルを避けるために非常に重要です。


買取専門の会社に依頼

被災した住宅は、周辺の住宅も同時に被災していますから、エリア全体が購入希望者から敬遠される傾向があります。

このような状況では、通常の仲介を通じて個人の買主を見つけるのが困難になることが多いです。

そのため、買い取り専門の不動産会社に売却を検討することもおすすめです。

買い取り専門の不動産会社は、不利な条件の住宅でも買い取り、リフォームや補強を行い、再び市場に出すことができます。

さらに、この方法では契約不適合責任を負わないため、売却後のリスクも軽減されます。


まとめ

台風や地震で被災した住宅の売却には、まず罹災証明書の取得が必要です。

住宅が構造的に安全で防水問題がなければ、売却に大きな障害はありませんが、売却前にはインスペクションを行い、大きな不具合がないことを確認することが重要です。

しかし、被災の影響が記憶に新しい間は、買主が見つかりにくいことも想定されます。

このような場合、買取専門の不動産会社への売却も一つの選択肢です。

また、被災後は焦らず冷静な判断を心がけ、利用可能な支援や補償を有効に活用することが、負担を軽減する鍵となります。


不動産の売買でお困りの方は、売買の窓口までお気軽にご相談ください。