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【2024年】変動金利と固定金利はどっちがお得?
銀行で借りる住宅ローンには変動金利と固定金利がありますが、どちらを選べば良いかわからない人も多いでしょう。
また、どちらが選ばれているのか気になる人も多いのではないでしょうか。
近年は変動金利が低水準のため、約7割の人が変動金利を選んでいると言われています。
参考:国土交通省「令和4年度 民間住宅ローンの実態に関する調査結果報告書」
しかし、経済の先行きは不透明なので固定金利の方が安心だと思う方も多いはず‥。
今回の記事では住宅ローンの金利タイプの特徴や選び方、最新の住宅ローンの金利相場などを解説します。
変動金利と固定金利の特徴
金利タイプには、固定金利と変動金利の2種類があり、固定金利は全期間金利が固定されるタイプと、一定期間のみ固定されるタイプに分かれます。
それぞれの特徴についてご説明します。
変動金利
変動金利は、金融機関独自で設定される短期プライムレートなどの基準金利に連動して、半年に一度、適用金利の見直しが行われる金利タイプです。
変動金利は、固定金利型に比べて金利が低い傾向にあるため、低金利時には利息負担が少なく、返済額を抑えることができます。
しかし、将来的に金利が上昇した場合、固定金利の方が利息が少なかったなど、一定のリスクがあります。
金融機関によって異なりますが、一般的に変動金利には2つのルールがあります。
・5年ルール: 金利の変更があっても5年間は返済金額が変わらない
・125%ルール: 金利が上昇して毎月の返済金額が増えても上限は1.25倍までしか増えない
ただし、5年の間に増加したり125%を超えたりした分の金利は、最終返済時に清算されます。
そのため、金利の変動具合によっては最終返済時に大きなリスクを背負う可能性があります。
なお、一部の金融機関では、変動金利でも上記2つのルールが適用されないので注意しましょう。
期間選択型固定金利
期間選択型固定金利は、2年・3年・5年・10年・20年と、金利の変わらない期間を選ぶことができます。
固定期間の年数の選択肢は金融機関によって異なり、固定期間が短いほど金利が低い傾向にあります。
一般的に、固定期間の終了時に自動的に変動金利へ切り替わりますが、手続きを踏むことで再度、固定期間の選択をすることができます。
期間選択型固定金利は、固定期間を選べる柔軟さとバランスの良さを兼ね備えていることが魅力です。
全期間固定金利
全期間固定金利は完済までの金利が変わりません。
そのため、毎月の返済金額も返済期間終了まで変更されません。
他の金利プランよりも金利が高くなりますが、借入後に市場金利が上昇しても金利は変更されないため、返済計画を立てやすいという特徴があります。
住宅ローン金利タイプの選び方
何を重視するかで選ぶ金利のタイプは変わるため、これが良いとは一概には言えません。
家計やライフプランに適した金利タイプを選ぶと良いでしょう。
低金利のメリットを活かしたい人
金利の低さを重視したい方には、低金利が続いている変動金利がおすすめです。
長期的な低金利が続く現状では、変動金利の方が、毎月の返済額を抑えることができます。
一定期間の返済額を安定させたい人
期間選択型固定金利は、金利変動リスクをある程度回避しながら、返済額の安定性も確保したい人に適した金利タイプです。
しかし、固定期間終了後は、金利変動リスクにさらされるため、家計の収支状況やライフプランを考慮して、無理のない返済計画を立てることが大切です。
リスクよりも安定を求める人
全期間固定金利は、借入期間を通して金利が固定される住宅ローンの金利タイプです。
そのため、金利変動リスクを回避し、返済額の安定性を確保することができます。
ライフプランに大きな変化がない場合は、全期間固定金利を選ぶことで、返済計画を立てやすくなります。
ただし、全期間固定金利は、変動金利や期間選択型固定金利に比べて金利が高くなる傾向にあります。
そのため、家計の収支状況やライフプランを考慮して、無理のない返済計画を立てることが大切です。
最新の住宅ローンの金利相場
次に、2024年最新(1月)の金利相場をお伝えします。
変動金利と固定金利の基準
金利相場を見る前に、まずはそれぞれの金利がどのような基準で決められるのかをお伝えします。
変動金利と固定金利の基準は、金融機関によって異なります。
一般的には、以下の基準に基づいて決められています。
変動金利は、短期プライムレートと呼ばれる、銀行が融資に問題がないと判断した信用力の高い企業に融資をする際に適用される金利(期間1年以内)を基準として決定されます。
短期プライムレートは、日銀の政策金利にほぼ連動しています。
固定金利は、国債市場で取引される10年国債の利回りを基準として決定されます。
10年国債の利回りは、国債を取引する投資家達の動きによって決まります。
投資家は将来を予測して取引を行いますので、変動金利のように「今」の状況ではなく、「将来」の予測によって利回りが決定されます。
具体的には、金融機関は、短期プライムレートや10年国債の利回りに加えて、自社の財務状況や競合他社の金利水準などを考慮して、変動金利と固定金利を決定しています。
また、金融機関によっては、独自の金利指標を設定して、その指標に基づいて変動金利と固定金利を決定している場合もあります。
なお、変動金利と固定金利の差額は、金利スプレッドと呼ばれており、金利スプレッドは、金融機関の利益を反映しているため、金融機関によって異なります。
住宅ローンの金利推移
主要なネット銀行、メガバンク、地方銀行の変動金利、メガバンクの10年固定金利、フラット35の金利をそれぞれ平均したモゲチェックの独自指標、「住宅ローン金利インデックス」の動きは下図の通りです。
変動金利は緩やかな右肩下がり(金利低下)、固定金利2022年〜2023年にかけて緩やかに上昇したものの、2024年以降、下降傾向となっています。
2024年以降の金利はどうなる?
2023年、日本銀行の政策修正で長期金利は上昇傾向となりました。
長期金利が上昇したことで2023年は大手3銀行が住宅ローンの固定金利を相次いで引き上げるなど、長期金利に連動する形で住宅ローンの固定金利も上昇傾向となりました。
2024年の住宅ローンはどうなっていくでしょうか。
上昇傾向だった固定金利について住宅ローン比較サービス「モゲチェック」を運営するMFSの塩澤崇取締役COOは「固定金利はやや下がり傾向に変化する可能性もある」と分析しています。
日銀の金融政策の修正によって上昇傾向だった日本の長期金利がアメリカの利下げ観測によって落ち着いてきたためとしています。
2023年12月、アメリカの中央銀行にあたるFRB(=連邦準備制度理事会)が、2024年には利下げの回数は少なくとも3回あるとの予測を示したことなどを受け、これまで急速に上がり続けてきたアメリカの長期金利が低下傾向になっています。
日本の長期金利もアメリカの長期金利に連動しやすくなっていることから、住宅ローンの固定金利も下がる可能性があるとみています。
一方、変動金利についても2024年、変化が起こるのでは、との見方が出ています。
鍵を握るのが日銀の決める短期金利です。
短期金利については、日銀が長く続けてきた大規模な金融緩和策の一環として、マイナス金利政策を続けてきましたが、これを2024年にも解除するのではとの見方が広がっているためです。
ただ、MFSの塩澤氏は住宅ローンの変動金利の動向について、「日銀のマイナス金利の解除だけでは、そのタイミングで銀行側が変動金利を上げるかどうか不透明。銀行間で競争環境が激化しているのですぐには上がらない可能性もある」とみています。
住宅ローンの借り換えをするとお得になる場合もある
住宅ローン借り換えとは、それまでローンを組んでいた金融機関とは別の機関でローン契約し、現在のローン残金を一括返済することをいいます。
借り換えを行うことで、以下のメリットが考えられます。
・金利が下がれば、毎月の返済額や総返済額を減らすことができる
・金利タイプや返済期間を変更できる
・団体信用生命保険(団信)の保険料を安くできる
ただし、借り換えには、以下のデメリットも考えられます。
・諸費用が発生する
・金利変動リスクが生じることがある
金利の比較は、複数の金融機関から見積もりを取ることで、最も有利な条件で借り換えができるかどうかを判断することができます。
諸費用は、借り換えの際に発生する費用であり、借り換え先の金融機関によって異なります。
審査の準備は、借り換えに必要な書類を準備しておくことで、審査をスムーズに進めることができます。
借り換え後の返済計画は、借り換え後の返済額をシミュレーションしておくことで、無理のない返済計画を立てることができます。
住宅ローンの借り換えは、メリットとデメリットを十分に理解した上で、慎重に検討することが大切です。
ミックスローンという方法もある
ミックスローンとは複数の金利タイプを組み合わせる住宅ローンの借り方です。
変動金利型は金利が低く、割安感がある一方で、今後の金利上昇リスクに不安が残ります。
逆に固定金利型は金利上昇リスクを避けられる安心感がある一方で、高めの金利が全期間に適用されるので、割高感が拭えません。
そこで、固定金利と変動金利を組み合わせることで、リスク分散にもつながり、金利変動リスクに備えることができるというのがミックスローンです。
例えば、3,000万円の住宅ローンを借り入れする場合、2,000万円を固定金利型、1,000万円を変動金利型でというように、異なる金利タイプを組み合わせることが可能です。
金利変動リスクを抑えつつ、割安感も得られることがメリットですが、諸費用が冷えることが1つのデメリットに挙げられます。
ミックスローンは金利変動リスクを理解した上で、家計の収支状況やライフプランを考慮して、複数の金融機関から比較検討することが大切です。
まとめ
変動金利と固定金利は、どちらもメリットとデメリットがあり、どちらが優れているかは一概に言えません。
金利が上昇する局面では、固定金利の方が返済額が安定するため有利です。
一方、金利が下降する局面では、変動金利の方が返済額が安くなるため有利です。
しかし、10年・20年先の金利がどうなるかは誰にもわかりません。
そのため、金利タイプの比較で悩んだときは、どちらが自分に適しているかを検討することが大切です。
具体的には、以下の点について考えてみましょう。
・金利変動リスクを許容できるかどうか
・家計の収支状況やライフプラン
・住宅ローンの返済期間
金利変動リスクを許容できるかどうかは、家計の収支状況やライフプランによって異なります。
家計の収支状況が安定していて、ライフプランに大きな変化が予想されない場合は、金利変動リスクを許容できるかもしれません。
しかし、家計の収支状況が不安定であったり、ライフプランに大きな変化が予想されたりする場合は、金利変動リスクを許容できないかもしれません。
また、住宅ローンの返済期間も重要なポイントです。
返済期間が短い場合は、金利変動の影響を受けにくくなります。
一方、返済期間が長い場合は、金利変動の影響を受けやすくなります。
これらの点を踏まえて、自分に適した金利タイプを選択するようにしましょう。
不動産さんのことでお困りの方は、売買の窓口までお気軽にご相談ください。
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