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売却の流れ
マンション売却前に知っておくべき「修繕積立金と管理費」
マンションを購入すると、月々のローンとは別に管理費や修繕積立金、駐車場使用料など、様々な費用が発生します。
修繕積立金と管理費は似ているようで、使用用途が全く違います。
国土交通省のマンション標準管理規約でも、それぞれ使用用途は厳密に分けられています。
参考:マンション標準管理規約 第2節 費用の負担 国土交通省
http://www.mlit.go.jp/common/000161664.pdf
まずは、それぞれの違いを確認してみましょう。
修繕積立金とは
修繕積立金は、マンションの共用部分の維持や修繕に必要な費用を積み立てるためのものです。
共用部分とは、廊下やエレベーター、駐車場など、各住戸の専用部分以外の部分を指します。
修繕積立金は、マンションの長期修繕計画に基づいて算定されます。
長期修繕計画は、マンションの築年数や規模、周辺環境などを考慮して、今後20~30年程度の修繕工事に必要な費用を予測したものです。
修繕積立金の滞納は、管理組合の理事会から督促状が届く場合があります。
督促状に従って支払わない場合は、最終的に訴訟を起こされる可能性もあります。
管理費とは
管理費は、マンションの管理や運営に必要な費用を支払うためのものです。
管理費の具体的な用途としては、以下のようなものが挙げられます。
・管理組合の運営費
・共用部の清掃費
・警備費
・共用部の水道光熱費
・通信費
・修繕工事の積立金
管理費は、マンションの管理組合が徴収します。
管理費の金額は、マンションの規模や立地、管理内容などによって異なります。
修繕積立金や管理費は返金されない
結論からいうと、修繕積立金や管理費は返金してもらえません。
修繕積立金は、マンションの大規模な補修工事や共用部分の維持・修繕に備えて積み立てられるものです。
共用部分とは、廊下やエレベーター、駐車場など、各住戸の専用部分以外の部分を指します。
長期修繕計画は、マンションの築年数や規模、周辺環境などを考慮して、今後20~30年程度の修繕工事に必要な費用を予測したものです。
居住している間に大規模工事が行わなければ、居住者は修繕積立金の支払いに対する利益を受けていないため、支払った分を返金してもらえると思ってしまうのも仕方ありません。
しかし、修繕積立金は、マンションの財産として管理されており、売却時に売主に返金されることはありません。
一方、管理費は、マンションの管理や運営に必要な費用を支払うためのものです。
居住している間にマンションの清掃や、ほかのサービスによって、居住者側は管理費を支払った分の利益を既に得ているため、返金されることはありません。
ただし、売却時に売買契約書に記載された日割り分の修繕積立金や管理費は、売主が買主から受け取ることが可能です。
修繕積立金が返金されない理由
修繕積立金や管理費が返金されない理由は、以下のとおりです。
修繕積立金は、マンションの外壁や屋根、エレベーターなどの大規模修繕に備えて積み立てられます。
これらの修繕は、マンションの価値を維持するために必要なものであり、売却によってもその必要性はなくなるわけではありません。
管理費は、マンションの清掃や警備、水道光熱費などの日常的な維持管理に必要な費用であるため、マンションの維持や運営に欠かせないものであり、売却によってもその必要性はなくなるわけではありません。
ただし、売却時に売買契約書に記載された日割り分の修繕積立金や管理費は、売主が買主から受け取ることができます。
これは、売主は売却するまでマンションの所有者であり、その期間分の費用を受け取るべきであるという考えに基づいています。
なお、一部のマンションでは、修繕積立金の返還を認める規約が定められている場合があります。
ただし、このような規約は極めて稀であり、一般的には修繕積立金や管理費は返金されません。
修繕積立金を滞納したままの売却はトラブルのもと
修繕積立金を滞納したままマンションを売却することは、後でトラブルになる可能性があります。
修繕積立金や管理費を滞納したままマンションを売却した場合、返済義務は新しい買主に引き継がれると区分所有法で定められています。
参考:区分所有法 第7条、8条 電子政府の総合窓口(総務省行政管理局)
http://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=337AC0000000069
滞納があれば不動産仲介業者は買主に伝えなければいけません。
修繕積立金の滞納がある場合は、売却そのものが難しくなります。
まとめ
修繕積立金も管理費も、原則はマンション売却時に返還されない点を理解しておきましょう。
そして、仮にこれらの費用を滞納しているときは、トラブルリスク防止のために仲介業者に伝えておくことが大切です。
不動産の売却に関するお悩みやご相談は売買の窓口までお気軽にご相談ください。
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