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省エネ基準適合が義務化【2024年開始住宅ローン控除をカンタンに解説!】

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資金計画

2023.11.14

省エネ基準適合が義務化【2024年開始住宅ローン控除をカンタンに解説!】

2023.11.14

省エネ基準適合が義務化【2024年開始住宅ローン控除をカンタンに解説!】売買の窓口】

脱炭素社会に向けて、2050年までにCO2(二酸化炭素)を排出実質ゼロにすることを実現するために、建築物分野では2025年には省エネ基準への適合が義務化されます。

これまでオフィスビルなど一部の建物が対象とされていましたが、2025年度以降は、住宅を含む全ての新築の建物が省エネ基準を満たすことが求められるようになります。


2025年4月省エネ基準適合が義務化

国土交通省は、2025年4月以降に着工する全ての建築物に「省エネ基準」への適合を義務付けることを発表しています。

2050年「カーボンニュートラル(脱炭素社会)」という目標に向け、さらにSDGsの大きな流れもあり、省エネ基準の適合義務化がスタートすることになりました。

新築で住宅を建てたいと考えている方は、省エネ対策は必須の対応になります。


住宅の省エネ基準とは?

住宅の省エネ基準とは、住宅のエネルギー消費効率を高め、エネルギー使用量を削減するために設けられた基準のことです。

これは環境への負荷を軽減し、持続可能な社会を推進するために重要です。

省エネ基準には様々なものがありますが、一般的には以下のような項目が含まれます。


外皮性能

住宅の省エネ基準における「外皮性能」とは、建物の外壁、窓、屋根、床などの外皮部分がどれだけ熱を逃がさず、エネルギーを効率よく使用しているかを示す指標です。

これは住宅の断熱性や気密性を数値化したものであり、冷暖房などのエネルギー消費を抑えるための設計や施工が行われているかを評価するために用いられます。

住宅の省エネ基準では、次のような外皮性能が考慮されます。


断熱性能

外壁、屋根、床、窓などが持つ断熱性能は、熱損失係数(U値)で評価されます。U値が低いほど断熱性能が高く、外の気温変化の影響を受けにくい住宅と言えます。


気密性

住宅の隙間を通じての熱の流出入を抑えることで、無駄なエネルギー消費を減らします。気密性能はC値(隙間相当面積)で表され、数値が小さいほど隙間が少なく、優れた気密性を持つことを意味します。


窓の性能

窓は熱損失や熱得の大きな要因となります。二重窓やLow-E複層ガラスなどの高性能な窓を使用することで、熱の流出入を減らすことができます。

これらの要素を総合して、住宅全体の外皮性能が評価され、「外皮平均熱貫流率」として数値化されます。特に、省エネ性能が高い建物ほど税制上の優遇措置を受けたり、住宅ローンの金利が低くなるなどのメリットがあります。 


一次エネルギー消費量

住宅の省エネ基準における「一次エネルギー消費量」とは、その住宅が1年間に使用する全てのエネルギーが、原エネルギー(石油、天然ガス、石炭、原子力、再生可能エネルギーなど)からどれだけ消費されるかを示す指標です。

この計算には、住宅で直接使用されるエネルギーだけでなく、電気やガスなどのエネルギーを生成・供給する過程で発生するエネルギー消費も含まれます。

さらに、暖房、冷房、換気、給湯、照明などのために住宅で使用されるエネルギーも含まれます。


上記設備における消費エネルギーの総量を規定の基準と比較し、「消費エネルギーをどれだけ削減できているか」を評価します。

住宅の省エネ基準を遵守することで、エネルギー効率の良い快適な住環境を実現し、温室効果ガスの排出削減にも貢献できるとされています。


省エネ住宅の種類

ZEH住宅(ゼッチ:Net Zero Energy House)

ZEH住宅とは、年間のエネルギー消費量総合計がゼロになることを目指した住宅を指します。

具体的には、高い断熱性能や省エネ設備を備え、太陽光発電などの再生可能エネルギーを利用して、その家庭で消費する一次エネルギー量と同等のエネルギーを創出します。

つまり、住宅が使用するエネルギーは、すべてその場で生成されたものとなるため、外部からのエネルギー供給を必要としない自立したエネルギーサイクルを実現する住宅です


LCCM住宅(ライフサイクル・カーボン・マイナス)

LCCM住宅は、その住宅のライフサイクル全体で見た際に、CO2の排出量がマイナスになることを目指した住宅です。

これには建築時のCO2排出量だけでなく、住宅の解体、廃棄に至るまでの全ての過程で排出されるCO2を考慮に入れ、再生可能エネルギーの導入や省エネ設備の活用によってCO2排出を最小限に抑えると同時に、必要に応じてCO2を吸収する機能(たとえば、建材として木材を多用するなど)を有します。


認定低炭素住宅

「認定低炭素住宅」とは、温室効果ガスの排出量を大幅に削減できる設計や仕様を有する住宅で、国の定める基準に従って認定を受けた住宅です。

この認定を受けた住宅は、建築材料の選定から断熱性能、高効率設備の導入、省エネルギー型の設計に至るまで、CO2排出量の削減に配慮されています。


認定長期優良住宅

「認定長期優良住宅」とは、長期にわたり高い居住性を維持することができる住宅で、厳しい基準を満たした上で国から認定を受けたものを指します。

耐震性や耐久性だけでなく、保守管理が容易であること、省エネルギー性能が高いことなどが求められます。こうした住宅は、建築時だけでなく、将来にわたっても環境への負荷が少ないとされています。


性能向上認定住宅

「性能向上認定住宅」とは、省エネルギー性能だけでなく、耐震性、耐久性、維持管理の容易性など、住宅のさまざまな性能が国の基準を上回っている場合に、国から認定を受けることができる住宅を指します。

この認定を受けるためには、国が定める一定の基準を満たしている必要があり、具体的な性能向上のための技術や仕様が求められます。


省エネ基準見直し3つのポイント

原則全ての新築住宅・非住宅に省エネ基準適合が義務付けられる

現行法で省エネ基準への適合が義務付けられているのは、300㎡以上の大・中規模非住宅のみでした。しかし、法改正によってこの分類は撤去され、全ての新築住宅・非住宅について、省エネ基準への適合が義務付けられることになります。

また、建物の増改築については、増改築する部分に対し、省エネ基準への適合が求められます。


省エネ基準以上の適合証明書が必要

省エネ基準適合義務化により、新制度施行後には、建築確認手続きの中で省エネ基準への適合性審査が行われることになります。 

適合性審査では「省エネ性能確保計画」を所管行政庁か登録省エネ判定機関へ提出して、省エネ基準に適合しているか判断します。

仕様基準を用いた場合などは、適合性判定が省略されます。

また建築確認とは、地盤や建築物が建築基準法などに適合しているか、建築工事へ着手する前に確認することです。建築確認時点で省エネ基準に適合していなかった場合、着工や住宅使用開始が遅れる可能性があります。


2025年4月施行予定

新築住宅・非住宅の省エネ基準への適合義務化は、2025年4月1日に施行予定となっていますが、対象となるのは、施行日以降に着工する建築物になります。


まとめ

これから新築住宅を検討している方にとって必須となる住宅の省エネ対策。

この先の人生を快適に住み続けられるよう、地球環境にも健康にも優しい省エネ住宅の計画を進めませんか。

制度詳細については、国土交通省のホームページから確認できますので、必ずチェックしておきましょう。


不動産のことでお困りの方は、売買の窓口までお気軽にご相談ください。