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マイホームを選ぶときに気になる「用途地域」とは?住居系用途地域について詳しく説明!
マイホームの購入を検討していると「用途地域」という言葉を耳にする機会があります。専門的な内容のため見落としがちですが、実はこれから暮らすマイホームの周辺環境やライフスタイルに大きく影響する内容です。
ここでは、「用途地域」とは何か、どんな地域があるのかを紹介します。その上で、どのような暮らしができるのか、どんな暮らしをしたいのかを考える目安にしてください。
そもそも「用途地域」とは?
用途地域は、都市計画法に基づく制度です。土地の状況や環境に合わせて建築を制限するもので、住環境の保護または円滑な生活やビジネスの利便を増進するために規制が設けられています。
たとえば、低い住宅の真横に高層ビルを建てれば日当たりの問題が発生してしまいますし、昼夜問わず大型トラックが多く通る道路沿いに老人ホームを建てるのは危険です。また病院や学校の近くに工場を建設すれば、公害のリスクが考えられるだけでなく、工場にとっても働きやすい環境を作ることは困難と言えるでしょう。
このような混乱をなくし、人々が暮らしやすく、働きやすい環境を整備するために、土地を用途別に区分けしたものが「用途地域」です。
用途地域は「住居系用途地域」「商業系用途地域」「工業系用途地域」の3タイプがあり、全部で13種類の用途地域を設けています。用途地域は都市計画法に基づいて各都道府県が定めており、それぞれに建築できる建物の用途、容積率、建ぺい率などが規制されます。
・住居系用途地域 主に住環境が優先されたエリアを8地域に分類。
・商業系用途地域 地域住民が遊びや買い物を楽しめる商業施設エリアを2地域に分類。
・工業系用途地域 主に工場の便利性に合わせて建設できるエリアを3地域に分類。
住居系用途地域で住み心地が変わる
ここでは、マイホーム選びの基準となる住居系用途地域について説明します。用途地域によって自分の希望するライフスタイルや住み心地が分かれるので、どのように分類されているのかみていきましょう。
第一種低層住居専用地域
低層住宅が建てられる地域で、建物の高さが10m(または12m)に制限されています。店舗は床面積50平米以下であれば建築できますが、通常、コンビニは建てられない規模といえるでしょう。一戸建て住宅、低層マンションが多くなります。学校、老人ホームなどは建設できます。静かな住環境を求める人、車を利用する人、庭付きの一戸建で生活をしたい人向けの地域です。
第二種低層住居専用地域
こちらも同じように低層住宅が建てられる地域で、建物の高さが10m~12mに制限されています。ただし店舗は床面積150平米まで可能になります。コンビニや飲食店、理髪店、作業場の面積が50平方メートル以下のパン屋など、工場が併設された店舗も許可されています。閑静な生活に少しの利便性を求める人向けの地域です。
第一種中高層住居専用地域
この用途地域では建物の高さ制限がなくなり、住居としては3階建てやマンションなども多くなります。店舗は2階建て以内、床面積500平米以下のものを建てられます。一般的な住宅のほかに学校、大学、図書館、病院、神社やお寺なども建てられます。ある程度の利便性を考慮する人向けの地域です。
第二種中高層住居専用地域
住居は第一種中高住居専用地域と同様、店舗は2階建て以内で床面積1,500平米以下の店舗や事務所が可能です。中規模商業施設や事務所などが建築可能となり、住環境と利便性のどちらも求める人向けの地域といえます。
第一種住居地域
一般住宅やマンションに加えて、3,000平米以下の店舗・施設を建てられ、ホテルやレジャー関連施設なども建設できます。駅に近い場所になる場合が多く、利便性が重視される地域といえるでしょう。
第二種住居地域
住環境が守られますが、床面積10,000平米以下の施設を建てられます。具体的にはパチンコ屋やカラオケボックス、ボーリング場やスケート場といったレジャー施設などを建設できます。利便性がかなり向上するため、一人暮らしや若年層夫婦の二人暮らしなどに向いている地域といえます。
準住居地域
道路の沿道として地域の特性を活かし、利便性を増進させながら住宅とも調和する環境を保護する地域です。国道や幹線道路沿いが指定されることが多く、車庫・倉庫、作業場の床面積が150平米以下の自動車修理工場、映画館などを建てられます。マンション暮らしをしながら車移動の多い人などに向いている地域です。
田園住居地域
低層の住環境と農業の利用増進が調和された環境の地域です。専用地域には住居のほか老人ホーム、診療所、神社、2階建て以下の農産物直売所、農家レストランなども建てられます。農業に従事する人や農業を楽しむ人、農産物に関わる仕事をしている人向けの地域です。
まとめ
用途地域には、住居系に該当するものだけでも8種類あります。どのような暮らしがしたいかを明確にし、自分自身のライフスタイルに合わせた用途地域を絞り込んでいくとマイホームを購入するエリアも決まってくるでしょう。
ライフイベントに合わせて、長期的な視点で選ぶことが重要です。
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