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戸建ての表題登記は必要?登記すべき理由と手続き費用を徹底解説!
新築の住宅を建てた際に行う不動産登記は、法律的な観点からも非常に重要です。
日本では、不動産登記には主に「所有権保存登記」と「表題登記」の2種類があります。
これらの登記を行うことで、新しい建物が法的に保護され、所有権を確実に主張することができます。
本記事では、表題登記にスポットを当てて、重要性や手続きの流れ、注意点について詳しく解説します。
新築を建てた際に行う不動産登記は2種類
新築物件を建てた際に必要な不動産登記には、主に「所有権保存登記」と「表題登記」の2種類があります。
これらの登記は、新しい建物が法的に保護され、所有権が確実に行使できるようにするために重要なのです。
表題登記
建物の表題登記は、新築された建物や公的な記録にまだ登録されていない建物に対して行う登記であり、不動産の物理的な特性や存在を公式に記録するためのものです。
具体的には、建物の所在地、種類、構造、床面積などが登記簿の「表題部」に新たに記載されます。
この登記は不動産の公的な存在を確立するために不可欠であり、所有権を他人に対して主張するためには、その後の所有権保存登記が必要です。
表題登記は、2004年の不動産登記法改正により「表示登記」から名称が変更されました。
この登記は、不動産取得時に土地家屋調査士を通じて申請するのが一般的で、建物や土地の所有権を取得してから1カ月以内に行わなければなりません。
所有権保存登記
一方で、所有権の保全を目的とする所有権保存登記は、所有権の変更があった場合に必要とされる登記で、所有権の確定や譲渡を公的に記録します。
また、銀行からの融資を受ける場合には、抵当権設定登記も行う必要があります。
これにより、不動産を担保として住宅ローン契約を行うことが可能となります。
このように、表題登記と所有権保存登記は、不動産の法的な管理と保護において重要な役割を果たし、不動産取引の透明性と信頼性を保持するために不可欠です。
表題登記は義務である
表題登記は、新築建物を建てた際やまだ登記されていない不動産を取得した際に義務づけられています。
建物を新築したら所有者は、不動産を取得した日から1ヶ月以内に表題登記の申請をしなければいけないと、法律(不動産登記法47条1項)で定められており、違反すると10万円以下の過料が課されます。
この登記を行うことにより、不動産の存在とその物理的特徴が公的な記録に登録されます。
登記は、不動産の所在地、種類、構造などを明確に記録し、これが法的な証拠として機能します。
したがって、表題登記は不動産の合法的な所有と管理を確保するために必要不可欠な手続きであり、不動産を正式に取得した後、法定期間内に必ず行う必要があります。
表題登記を行わないことには、不動産の所有権を効果的に主張することが困難になり、将来的に所有権の争いや法的な問題が生じる可能性があります。
また、公的な記録に不動産が登録されていないと、その不動産を担保にローンを受けるなどの金融取引が行えないため、経済的な機会を逸することにもなりかねません。
表題登記にかかる費用
土地の表題登記と建物の表題登記について、登録免許税は非課税です。
「表題登記」は自分で申請することも可能ですが、登記書類の作成や添付書類の準備など、全てを自分で行う必要があります。
専門的な法的知識や地域の慣習、実務的な手続きが必要なため、専門家に依頼するのが一般的です。
「表題登記」の申請手続きを代行するのは、司法書士ではなく土地家屋調査士です。
土地家屋調査士は、表題登記の専門家であり、国家資格を持っています。
新たに家を建てる場合、建設会社や不動産会社が提携している土地家屋調査士に依頼することが多いですが、自分で探して依頼することもできます。
申請費用は地域や土地家屋調査士によって異なります。
首都圏での一戸建ての場合、建物表題登記の報酬は9万~12万円、土地表題登記の報酬は7万円~が目安です。
日本土地家屋調査士連合会のデータによると、全国平均で建物表題登記の報酬は8万3,659円、近畿圏では9万2,398円です。
不動産会社や建設会社を通じて依頼する場合、費用が割高になる傾向があります。
提携する土地家屋調査士は競争が少なく、依頼主が自ら調査士を選ぶ手間が省けるためです。
区分建物(マンションなど)の表題登記は建設者が行うため、購入者が行う必要はなく、購入者は司法書士を通じて「所有権移転登記」を行います。
表題登記の手続きの流れ
手続きに必要な書類一覧
手続きに必要な書類は以下の通りです。
1.検査済証と建築確認通知書
建物の建設後に、施工業者や設計会社から建築確認に関する書類一式を受け取ります。
その中で、建築検査が完了したことを示す「検査済証」および「建築確認通知書」が必要です。
この2つの書類は、新たに建てた建物の所有権を証明するために最も重要な添付書類です。
2.施工業者の工事完了引渡証明書(印鑑証明書、登記事項証明書付き)
施工業者に依頼して交付してもらう「引渡証明書」と、それに付随する「印鑑証明書」、「登記事項証明書」の3つの書類です。
3.住民票
申請者の住民票が必要です。
お住いの市区町村役場で入手してください。
4.登記申請書
自分で申請する場合、申請書に登記の目的(建物表題登記)、申請日、申請先、申請人の住所・氏名などを記入し押印して提出します。
申請書はインターネットで入手可能ですが、地域の法務局によっては独自のルールがあるため、地元の土地家屋調査士に依頼するのが安心です。
5.建物図面・各階平面図
規格や細かなルールがあるため、施工会社や土地家屋調査士と相談して用意してもらいましょう。
6.案内地図
表題登記申請後に法務局の担当者が現地確認を行うため、添付書類として必要です。
住宅地図をコピーしたものや、Googleマップに現地場所の目印を入れたものでも代用可能です。
7.委任状(代理人に申請してもらう場合)
申請を代理人に依頼する場合は、委任状が必要です。
手続きの手順
大まかな手続きの流れは次のようになります。
1.建物の完成
建物が完成したら、登記申請手続きができるように必要書類を準備します。
土地家屋調査士に依頼する場合は、この段階で申請を委託します。
2.法務局や市役所での資料調査
管轄の法務局や市役所で申請する建物に関する資料を調査します。
3.建物の現地調査
現地で測量調査を行います。
建物の周囲の寸法や敷地境界までの距離を計測し、建築確認書と実際の建物の一致を確認します。
4.登記申請書類の作成と準備
資料調査と現地調査の結果をもとに、申請書類を作成します。
添付書類として「建物図面・各階平面図」も作成します。
5.表題登記の申請
必要書類をすべて揃えて、管轄の法務局に表題登記を申請します。
建物完成後1カ月以内に申請する必要があります。
6.表題登記完了後の所有権保存登記の申請
表題登記が完了したら、「所有権保存登記」の申請を行います。
この登記は「権利の保全」を目的としており、ここからは司法書士が担当します。
7.必要な場合は所有権保存登記完了後の抵当権設定登記の申請を行う
銀行等から融資を受ける場合は、住宅ローン契約に基づく「抵当権設定登記」を申請します。
これも司法書士が担当し、通常は所有権保存登記と同時に申請されます。
これらの手順を踏むことで、建物の登記が完了します。
まとめ
新築物件を建てた際に必要な不動産登記には、所有権を確定させる「所有権保存登記」と、建物の存在を公式に記録する「表題登記」があります。
特に表題登記は、不動産取得後1カ月以内に行わなければならず、違反すると過料が課されます。
登記を行うことで、不動産の存在とその物理的特徴が公的に記録され、所有権の主張や金融取引がスムーズに進むことが保証されます。
専門的な手続きが必要なため、土地家屋調査士に依頼するのが一般的です。
不動産の法的な管理と保護のために、これらの登記手続きを怠らないようにしましょう。
お困りごとがありましたら売買の窓口までお気軽にご相談ください。
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