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両親の施設入居後、空き家になった実家をどうする? 売却の最適なタイミングとは

売却

売却の流れ

2024.04.30

両親の施設入居後、空き家になった実家をどうする? 売却の最適なタイミングとは

2024.04.30

両親の施設入居後、空き家になった実家をどうする? 売却の最適なタイミングとは売買の窓口】

高齢化社会が進む中、多くの家庭が施設への入所をきっかけに家を売却するケースが増えています。

家族が高齢者施設に移ることで空き家になった実家は、防犯や税金の問題が心配されます。

これらの家を売却することで、必要な介護費用や医療費を捻出し、生活の質を向上させることができるメリットがあります。 

しかし、不動産売却は複雑であり、特に家の名義が親名義の場合、子が売却手続きを進めるにはいくつかの課題があります。


この記事では、親からの委任状を用いて売却する方法と、認知症になった親の代わりに売却する方法について詳しく解説します。 

また、親が生前に実家を売ることのメリットについても触れます。

実家の売却を検討している方は、ぜひ参考にしてください。


実家を空き家にするとどうなる?

老朽化が進行

両親が介護施設に入所する際、考えておく必要のある費用が「空き家」となった家の維持管理費です。 

建物が長期間使用されないと、メンテナンスが行われないため、老朽化が進みやすくなります。

屋根や外壁の劣化、内部の湿気やカビの問題、設備の故障などが進行する可能性が高くなります。 

空き家の維持には予想以上に費用がかかるのです。 

さらに、長期間の放置が原因で「特定空き家」と認定されれば、取り壊しを求められる可能性もあります。


資産価値が下がる

空き家の状態が長く続くと、その不動産の市場価値が下がる傾向にあります。

見た目が悪化し、周囲の環境にも悪影響を及ぼすため、買い手や投資家からの魅力が減少します。

また、地域によっては空き家が増えることで地域全体の不動産価値が下がることもあります。


実家の売却を考えるべき最適なタイミング

実家の売却を考えるべきタイミングは家庭によって異なりますが、「親の介護施設入所」は大きなタイミングと言えるでしょう。


親の介護施設入所

親が介護施設に入所し、実家が誰も住んでいない空き家となる場合、その実家の売却を検討するタイミングとして適切です。

空き家のままでは固定資産税などの税負担が続き、何らかの対策が必要になります。

厚生労働省のデータによると、日本では80歳以上の約18.5%が介護施設を利用しており、高齢化が進む中、この状況は多くの家庭にとって身近な問題です。

親が施設に入所した際には、空き家となる家の有効活用や売却など、適切な対応を考える必要があります。


親が生きているうちに実家を売却するメリット

生活の資金を確保する

実家を売却することで得られる資金は、親の今後の生活資金や介護費用などに充てることができます。

これにより、親の生活の質を維持または向上させることが可能となります。


相続トラブルを避ける

親が生きている間に実家を売却すると、相続手続きを楽にし兄弟間での相続に関する問題を避けることができるメリットがあります。

相続財産は現金、株式、自動車など様々ですが、分割が難しく現金化しにくい不動産が最も複雑な問題を引き起こすことが多いです。

実家などの不動産は、相続人間で物理的に分割ができないため、しばしば対立の原因になります。

しかし、親が生きている間に不動産を売却し現金化しておくことで、財産を平等に分けやすくなり、相続に関するトラブルを予防できます。


税金対策が可能

親名義の不動産を売却し、その資金を適切に管理することで、相続税の負担を軽減する計画を立てることができます。

特に高額な不動産を相続する場合、税金対策は非常に重要となります。


親が生きているうちに実家を売却するデメリット

感情的な影響

実家は多くの思い出が詰まった場所であるため、その売却は親にとって大きな精神的な負担となることがあります。

親がその決断に納得していない場合、感情的なストレスが増大する可能性があります。


実家の整理が大変

高齢の親にとって、実家を売却する際の整理や引っ越し作業は非常に負担が大きいです。

重たい物を持ち運ぶことによる怪我のリスクも考慮する必要があります。 

このため、事前に不用品を整理する、または定期的に親の片付けを手伝う必要があります。

これにより、親が直面するであろうストレスや身体的な負担を軽減することができます。


実家の売却した時にかかる税金控除の特例 

親が生きている間に家を売却する場合、特定の条件を満たすと所得税に関して軽減措置を受けることができる特例があります。

これは、税制面での支援を意味しており、適切な条件下では売却によって発生する税金が減少することが期待できます。


3,000万円特別控除

自宅を売却する際に利用できる「居住用財産の譲渡における3,000万円の特別控除」は、所有期間に関係なく、譲渡所得から3,000万円を控除できる特例です。

多くの場合、この控除によって自宅売却時の譲渡所得税が課税されることはありません。 


この特例を受けるには6つの条件を満たす必要があります。

1.売却するのは自己居住の家屋、またはその敷地や借地権。 

2.売却の前の2年間でこの特例やマイホームの損益通算の特例を利用していないこと。 

3.売却の前の2年間でマイホームの買換えや交換の特例を受けていないこと。 

4.他の特別控除(収用等の場合の特例など)を受けていないこと。 

5.災害により滅失した家屋の場合、居住停止から3年以内に敷地を売却すること。

6.売買当事者間に特別な関係(親子、夫婦等)がないこと。 


居住していない家でも、過去3年以内に居住していた場合、この特例の適用が可能です。

また、この期間中に物件を賃貸していた場合も、3年後の12月31日までに売却すれば特例を受けられます。 

この3,000万円の特別控除を利用した場合、新たに住宅を購入して住宅ローンを利用する際には住宅ローン控除が利用できなくなるため、どちらの控除を選ぶかは、売却後の計画によって慎重に選択する必要があります。

住宅ローン控除は購入後の経済的負担を軽減するため、計画に合わせて最適な選択をしましょう。


所有期間による軽減税率

所有期間が10年を超える自宅を売却する際に適用される軽減税率の特例は、特定の条件下で長期所有の不動産の譲渡所得に対して、通常よりも低い税率を適用することができる制度です。 

この特例の条件として、売却される不動産が自己居住用であり、その年の1月1日時点で所有期間が10年以上である必要があります。

通常、長期譲渡所得の税率は20.315%ですが、この特例を利用すると、譲渡所得が6,000万円以下である場合、税率が14.21%に減少します。 

この減税措置により、該当する売却益に対して支払う税金が減少し、経済的な負担が軽減されます。

ただし、譲渡所得が6,000万円を超える部分については、通常の長期譲渡所得税率が適用されるため、注意が必要です。 

この制度は、長期間自宅を所有してきた人がその不動産を売却する際に、税金の負担を軽減するために設けられており、経済的な負担を少しでも和らげることが可能です。


出典:国税庁「No.3305マイホームを売ったときの軽減税率の特例」


マイホーム買換え特例

マイホーム買換え特例は、不動産売却時に利用できる税制上の特例で、不動産の譲渡所得税の支払いを新たに購入する物件を売却する時まで延期できる制度です。

不動産を買い替える際には、多額の出費が伴いますが、この特例を利用することで直接的な経済的負担を一時的に軽減でき、すぐに税金を用意する必要がなくなります。 

ただし、この特例を利用するには、売却される物件と新しく購入される物件両方に特定の条件が設けられています。

そのため、この特例が適用可能かどうかは、それら条件を満たしているかどうかに注意する必要があります。


出典:国税庁「No.3355特定のマイホームを買い換えたときの特例」


子どもが実家を売却する方法

親が委任状を作成する

親が介護施設に入所しているなどの理由で直接手続きが困難な場合、子どもが実家の売却を代行するためには、親による委任状が必要です。

この委任状により、子どもが「委任代理人」として行動でき、不動産会社への書類提出が可能になります。


【委任状の記載事項】

・売却物件の基本情報

・売却価格

・売却金の振込先

・代理人の金額交渉権の有無や交渉額の幅

・代理人と委任する人の基本情報

・委任状の有効期限


ただし委任代理人の場合、家を売買する手続きまでは行えますが、代金の受け取りや家を引き渡す際の最終確認などは親本人が行わなくてはなりませんので注意が必要です。


任意後見制度を利用

任意後見制度とは、認知症などが進行する前(本人がまだ判断能力を有している段階)に、将来的な判断能力の低下や意思能力の喪失を予測し、自らの意志であらかじめ後見契約を結ぶことができる制度です。

この制度を利用することで、本人は後見人に財産管理や日常生活のサポートを任せることができ、安心して将来を見据える準備が可能になります。

任意後見契約は公証役場で公証人の立会いの下に行われ、契約書は公証役場に保存されます。

この契約により指定された任意後見人は、本人の財産を管理する権限を得るため、例えば家の売却などの重要な決定も行えるようになります。

ただし、この制度は本人がまだ判断能力を有している間にのみ利用可能で、能力が低下した後では適用できません。


家族信託を利用

家族信託は、親が子供に家の名義を移して財産管理や活用を任せる一方で、所有権は親に残すという財産管理方法です。

この方法では、子供は実家の売却や賃貸などの決定を自らの裁量で行うことが可能となります。

家族信託を行うことで、不動産取得税や贈与税が発生せず、財産権が親に留まるため、税負担を抑えることができます。


実家を売却する場合の注意点

早めに準備を進める

スムーズ売却を行うためには、事前準備を早めに始めることが重要です。

この準備には、地元の不動産市場を調べて適切な価格設定をすること、信頼できる不動産業者を選ぶこと、売却に必要な法的書類を整えること、物件の修繕や整理整頓を行うこと、そして税務に関する準備を行うことなどが含まれます。


翌年に確定申告を行う

確定申告は、実家を売却して得た譲渡所得に対して正確な税金を計算し、申告するために必要な手続きです。

実家の売却から生じる譲渡所得は、その年の所得として計算されます。

売却が行われた年の1月1日から12月31日までの期間に発生した所得に対し、翌年の確定申告期間(通常は2月16日から3月15日まで)に申告する必要があります。


この申告を通じて、譲渡所得にかかる所得税や住民税が計算され、必要に応じて納税または税額の還付が行われます。

また、特定の条件を満たしている場合、住宅ローン控除や小規模宅地等の特例など、税制優遇措置を受けることができる可能性があります。


信頼できる不動産会社を選ぶ

親が生きている間に実家を売却することは、相続トラブルを避けるためにも効果的な方法です。

しかし、不動産会社によって得意分野が異なり、担当者の知識や経験にも幅があります。

そのため、どの会社に売却を依頼するかによって、得られる売却価格に大きな違いが生じることがあります。

相続や不動産売却に関する問題でお困り場合は、売買の窓口までお気軽にご相談ください。